金属イオンへの配位により誘起される溶媒のコンフォメーション変化に関する研究
Project/Area Number |
15750052
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梅林 泰宏 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (90311836)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | Raman分光 / DFT計算 / 溶媒構造異性化 / 金属イオン溶媒和 / 非水溶液 / 錯形成の熱力学 / 錯形成の反応速度論 / 溶媒和錯体の構造解析 / 金属イオンの溶媒和 / 錯形成反応 / 構造異性化 / 振動分光 / FT計算 / 熱力学 / 反応速度論 |
Research Abstract |
溶液中の金属イオンや錯体の溶媒和構造は反応性を支配する。非水溶媒中の金属イオンには溶媒和の立体効果が働く。一方、錯体の場合も金属の第1配位圏の配位子間立体相互作用は、錯体の反応性・立体選択性を制御するうえで非常に重要である。これまで、金属第1配位圏の配位子間立体反発に着目し、溶媒和錯体をモデルとして嵩高い溶媒や混合溶媒中での反応性と溶媒和構造に関する熱力学的および構造化学的研究を行った。金属イオンに配位することによる溶媒DMPAの構造変化を見出した。この現象を定量的に理解できれば、一般の錯体・錯体触媒に拡張することができる。 そこで、本研究の目的を (1)金属イオンへの配位により誘起されるコンフォメーション変化の定量的解明 (2)金属イオン第1配位圏の立体反発パラメータの検討 (3)動的立体制御の可能性の検討 とし、熱力学・構造化学の点から定量的な理解を深めるとともにその応用についても検討する。 本研究の結果、得られた成果として、 (1)種々の金属イオンのDMPA溶媒和錯体のRaman分光とDFT計算から、金属イオン配位により誘起されるDMPAの構造異性化が金属イオン第1配位圏内の溶媒和DMPA間立体生涯に金することを定量的に示した。 (2)DMPA類縁体である種々の溶媒で、溶媒和金属錯体の単結晶X線構造解析より、溶媒和分子間立体障害が、所謂、コーンアングルに支配されることを示した。 (3)励起状態において、構造異性化するジメチルアミノピリジン溶媒和錯体を合成し、その蛍光挙動を調べた。また、キレート配位子ビピリジンのプロトン付加・金属イオン配位に伴う構造異性化について、反応速度論及びDFT計算により調べたところ、配位数が減少する解離的機構の遷移状態においてさえ、溶媒和圏内に立体障害があることを定量的に示した。 があげられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)