金属錯体モジュールを複合化した分子材料の電子状態理論
Project/Area Number |
15750054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
杉本 学 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (80284735)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 電子状態理論 / 計算化学 / 金属錯体 / 超分子 / 複合分子 / 励起状態 / 量子化学 |
Research Abstract |
密度汎関数法による電子状態計算を行ない、金属錯体からなる複合分子(超分子)の構造と光学的性質に関する理論研究を実施した。行なった具体的研究課題は以下の通りである。 (1)フェロセン-キノン複合分子 東京大学・西原教授らにより合成されたフェロセン-キノン錯体およびそのプロトン付加体に関する構造最適化と励起スペクトルなどの解析を行なった。計算により得られた構造およびそれに基づいたNMR化学シフトの計算結果は実験結果を良く再現した。励起状態計算の結果から、実験的な帰属が不十分であった近赤外領域の吸収バンドがFeからキノンへの電荷移動型励起であることを示すとともに、この励起がプロトン付加による励起状態の大きな安定化に起因することを示した。また、この種の錯体では、キノンの結合部位の違いによつて異なる励起スペクトルと溶媒依存性を示す可能性があることを理論的に予測した。 (2)Ptジチオラト錯体-アゾベンゼン複合分子 西原教授により合成されたPtジチオラト錯体-アゾベンゼン複合分子の励起状態計算を行ない、実験による励起スペクトルの帰属を行なうとともに、アゾベンゼン部位の光異性化過程において重要となる分子軌道の性質を明らかにした。 (3)Irテルピリジン錯体-ポルフィリン複合分子 フランス・ストラスブルグ大Sauvage教授らが合成したIrテルピリジン錯体-ポルフィリン複合分子に関する励起状態計算を行ない、実験による励起スペクトルの帰属を行なった。この錯体では、可視光の照射によってポルフィリン部位からIr錯体への電子移動が起こることが実験的に知られている。我々の計算では、このような電荷分離型の励起状態が近赤外領域に存在することを予測する結果を得た。このような吸収は実験的には報告されていないが、我々の計算はエネルギー的に低い励起状態が電子移動ダイナミックスに重要な役割を演じていることを示唆する。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)