ルテニウム錯体を反応場とするニトリルとケトンの新規反応に関する研究
Project/Area Number |
15750056
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
橋本 剛 上智大学, 理工学部, 助手 (20333049)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | ルテニウム錯体 / 有機ニトリル / 電気化学 / アセチルアセトン / β-ケトイミン / β-ジケトン / 加水分解 |
Research Abstract |
1.β-ケトイミン(β-イミノケトン)のキャラクタリゼーション アセトニトリル配位ルテニウム錯体[Ru^<II>(acac)_2(CH_3CN)_2]を、アセトン溶媒中空気下室温付近で長時間反応させることにより、ニトリルとケトンが反応して炭素-炭素結合を生じ、β-ジケトンのO原子の1つがNH基に置き換わった、β-ケトイミンが配位した錯体が得られる。有機ニトリルとケトンの種類をそれぞれ変えて同様の反応を行って得られた各種β-ケトイミナト環の構造を単結晶X線構造解析により詳細に調べることができた。その結果、NH基のトランス効果をはじめするβ-ケトイミン環の共通する特徴をβ-ジケトナト錯体と対比させながら明らかにすることができた。電気化学的測定においては、NH基の電子供与性の増大による中心金属上の電子密度の上昇により、酸化および還元電位はともに負電位方向にシフトした。 2.副反応による多様な反応性の解明 上記の反応を酸化的条件で行うことにより、有機ニトリルの加水分解が起こることがわかった。この反応機構を検討するための参照実験として、ケトンの代わりに第三級アルコールを用いた反応を行ったところ、アセチルアセトンおよび三座架橋酸素原子で架橋した三核錯体および四核錯体が生成することがわかった。この反応は、酸素原子による中心金属の酸化と有機ニトリルの脱離、金属-炭素結合の生成とが協奏的に進む、大変興味深い反応であることを意味するが、その機構は検討中である。これら錯体の酸化状態および電極反応について電気化学測定を中心とした詳細な検討を行っているところである。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)