Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,都市大気中の環境微粒子について,キャリアーとしての微粒子の組成から起源を推定した上で,その粒子に付着している「発ガン性が指摘されている有害有機成分」や「鉄などの金属元素を含む微粒子との複合微粒子」に焦点を合わせた起源別複合汚染評価法を開発することである。この研究目的を達成するために,以下の様な具体的な項目に関する研究を行い,それぞれの項目に対して重要な知見を得た。 1.環境微粒子を金属板の上に直接分級捕集できる,携帯型のカスケードインパクター型捕集装置の試作 2.試作した捕集装置による都市大気中の環境微遊粒子の捕集と,電子線マイクロアナリシス(EPMA)法による粒別分析,ならびに複合粒子に対する粒子構造の解析に基づく,発生起源情報や複合汚染情報の取得 項目1と2では,都市域の大気環境微粒子をSPMやPM_<2.5>などの様に分級し,かつ金属板上に直接捕集できる携帯型捕集装置を試作した。また捕集された微粒子に対して,EPMA法による粒別起源解析法を適用することで,試作した捕集装置の評価を行い,さらに複合微粒子の粒子構造を詳細に解析した。その結果,本研究で試作した携帯型捕集装置を用いれば,研究目的を十分に満足する都市大気中環境微粒子の分級捕集が可能であることが分かった。同時に,複合微粒子の主たる発生起源などに関する重要な知見を得た。 3.飛行時間型二次イオン質量分析(TOF-SIMS)法による粒子別の無機・有機成分検出と,質量スペクトルに基づく特徴抽出法による発生起源情報ならびに有害有機成分情報の取得 4.ガスクロマトグラフ質量分析(GC/MS)法による有害有機物質情報の取得 項目3と4では,捕集された環境微粒子試料に対して,TOF-SIMS法やGC/MS法を適用し,微量無機成分や有害有機物質の同定を行なった。また,特定の有害有機汚染物質のフラグメントピークなどを用いて,捕集した個々の粒子に吸着する有機物質分布情報を得,質量スペクトルの特徴抽出に基づく粒別起源解析を行った。その結果,実際の都市大気環境中から,鉄粒子表面にデイーゼル排気微粒子が吸着した複合微粒子が見出された。
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