遷移金属・ルイス酸両機能性触媒の探索と新触媒反応への応用
Project/Area Number |
15750076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上條 真 東北大, 多元物質科学研究所, 助手 (00359548)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 両機能性触媒 / 遷移金属触媒 / ルイス酸触媒 / インドール / イソシアネート / イミン / タンデム反応 |
Research Abstract |
我々は環境に負荷をかけない変換プロセスを達成するための一つの手法として触媒反応に着目し、研究を進めている。本研究では、触媒の機能に主眼を置いた新反応の開発を目指した。 反応基質としてオルト位にアルキニル基を有する芳香族イソシアネート、求核剤としてアルコールを用い、様々な金属存在下で反応させ、遷移金属・ルイス酸の両機能を兼ね備える触媒の探索を行った。その結果、2価のパラジウムまたは白金が両機能性触媒として有効に振る舞うことを明らかにした。これらの触媒は、ルイス酸としてイソシアネート部位のσ-電子に配位し、アルコールの付加を促進すると同時に、遷移金属触媒として炭素-炭素三重結合のπ-電子に配位し、アルキンに対する分子内ヒドロアミノ化反応を触媒し、環化することでインドール骨格を与える(J.Am.Chem.Soc.2003,125,4764-4771に報告済み)。 さらに、オルト位にアルキニル基を有する芳香族イミンを反応基質として用い、アルコールとの反応を試みた。本反応系においてもパラジウムは触媒活性を示したが、白金は基質の分解を招くのみであった。遷移金属・ルイス酸両機能性触媒として最も優れた活性を示したのは、1価の銅であった。様々な官能基を有する基質に対しても有効で、いずれの場合も良好な収率でインドールを与えた(Tetrahedron Lett.2004,45,689-691に報告済み)。 これまで、遷移金属的性質とルイス酸的性質を個別に利用する触媒反応の研究は数多くなされてきたが、今回我々はそれら両方の性質を同一触媒サイクル中で発現することの可能な金属触媒を新たに見出した。さらに、これら遷移金属・ルイス酸両機能性触媒を利用するタンデム反応により、効率的にインドールを合成する手法を開発した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)