Project/Area Number |
15750134
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental chemistry
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Research Institution | Asahikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
古崎 睦 旭川工業高等専門学校, 助教授 (40280317)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | ホタテ貝殻 / 薄膜 / 環境浄化材 / スプレー熱分解法 / ホルムアルデヒド |
Research Abstract |
本研究は、北海道道北地方において大量に排出・廃棄されている「ホタテ貝殻」の有効利用を目指し、(1)種々の条件下でホタテ貝殻由来のセラミックスを調製、(2)それを様々な基板上に薄膜化する方法について検討、(3)調製した材料をガス状汚染物質の分解除去に応用、(4)汚染物質の分解機構を考察、しようとするものである。 実施1年目の昨年度は、ホタテ貝殻を酢酸溶液に溶解、「湿式法(超音波式スプレー熱分解法)」によってセラミックス膜を形成し、得られた薄膜のホルムアルデヒド減少能を評価した。その結果、(1)スプレー熱分解法においては、基板温度、およびミスト吹き出し口と基板の相対位置が重要な因子となること、(2)石英・窒化ケイ素・窒化アルミニウム・アルミナ・安定化ジルコニアなど多様な基板に対して、容易に酢酸カルシウム0.5水和物からなる均質な多孔性前駆体膜を形成することができること、(3)これらを大気中で焼成することにより、500〜550℃では炭酸カルシウム膜を、600℃以上で酸化カルシウムの単一相膜を生成できること、が確かめられた。 また、得られた前駆体膜および焼成膜を基板ごと、初期濃度約1.0ppmのホルムアルデヒド雰囲気中に暴露すると、いずれの場合も顕著な減少挙動が認められた。特に800℃以上で焼成し、結晶性を高めた酸化カルシウム膜が優れた減少効果を示した。 2年目の本年度は「乾式法」による成膜を試みた。まず、ターゲットとして、黒鉛などの導電性粉末を種々の割合で混合したホタテ貝殻成型体を調製し、通常絶縁性試料の成膜に用いられる「高周波スパッタリング装置」より安価・小型な「AC/DCスパッタリング装置」を活用しうる可能性について検討した。しかし、今回作製したターゲットでは思うように比抵抗を下げることができず、当初購入予定の装置では性能的に成膜が厳しいことが判明した。前述の「高周波スパッタリング装置」は当該補助金額では購入不可能であり、また、研究代表者が「第46次南極地域観測隊(越冬隊)」として離日することもあって、更なる成膜条件の検討が継続困難となったため、やむを得ず今年度の補助事業を廃止することとした。
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