タンパク質のアミロイド線維形成を阻害する人工RNAの進化分子工学法による獲得
Project/Area Number |
15750138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemistry related to living body
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 剛 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (90345380)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | RNA / アミロイドβペプチド / 人工RNA / アミロイド線維 / アルツハイマー病 / 進化分子工学 / アミロイド病 |
Research Abstract |
近年、タンパク質の天然構造が壊れたり、間違った状態へとミスフォールディングすることが原因で病気となる例がいくつか報告されている。特に、アミロイド病と呼ばれるアミロイド線維の形成が病気の原因となっているものとして、アルツハイマー病や狂牛病(プリオン病)などがある。アミロイド線維は、天然構造のタンパク質が凝集し、βシート構造に富んだ状態へと構造転移した結果、そのβシートが繊維状に組織化してできたものである。本研究では、RNAのin vitro selection法を活用し、アルツハイマー病の原因であるアミロイドβタンパク質(Aβ)に結合することで、その構造転移および線維形成を阻害する人工RNApの獲得を行った。 オリゴマー状態のAβに特異的に結合する人工RNAを獲得するために、最初にAβのオリゴマーモデルを構築した。10nmサイズの金コロイドにC-末端にCysを配置したAβを共有結合させた。このオリゴマーモデルに結合するRNAのin vitro selectionを行った。サイクルは、計9サイクル行い、7-9サイクルにおいて、3種類のセレクションを行った。得られたRNAのいくつかは、Aβに結合する能力を有していることが明らかとなった。さらに、Aβの構造転移およびアミロイド線維形成能へのRNAの影響を評価したところ、RNA非存在下と比較して、獲得したRNAを添加することにより、Aβのアミロイド線維形成は顕著に抑制されることが明らかとなった。 以上、本研究により獲得した人工RNAがAβのアミロイド線維形成を効果的に抑制することが明らかとなった。昨年度の成果を踏まえ、さらに、より阻害能の高いRNAを獲得することにより、将来的なアルツハイマー病の治療等への応用が期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)