巨大ボーイングを利用した広帯域対応擬似混晶半導体の作製
Project/Area Number |
15760004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
鍋谷 暢一 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (30283196)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 電気陰性度 / 局在準位 / 擬似混晶 / ハンドアライメント / 高密度薄膜 / II-VI-O型混晶 / バンドギャップボーイング / 混晶 / 超格子 / 光デバイス |
Research Abstract |
Oの電気陰性度はS, SeおよびTeに比べて大きいため、ZnSeやZnTe中のVI族原子の一部をOで置換したII-VI-O型混晶半導体では、O原子が電子を強くひきつけて局在準位を形成する。Oの局在準位は母体結晶のエネルギーバンドと強い相互作用を起こすため、混晶のバンドギャップは巨大ボーイングに代表される特異性をもつ。本研究ではZnSeOやZnTeOなどO以外のVI族元素が異なる三元混晶薄膜を積層した超格子構造である擬似混晶によりバンドギャップを制御することを目的としている。ZnSeOおよびZnTeO混晶をエピタキシャル成長し、擬似混晶のバンド構造解明に必要となるOの局在準位を調べた。変調分光(PR, ER)測定により、ZnSeOのバンドギャップを測定した結果、O組成を増加させるとバンドギャップは減少した。このことから、Oの局在準位はZnSeの伝導帯中に形成され、両者の相互作用によって伝導帯下端が低エネルギーにシフトすると考えられる。またOの局在準位は伝導帯とのみ相互作用し、価電子帯には影響を与えないことがわかった。同様にZnTeO混晶のバンドギャップを調べた結果、O組成の増加とともにバンドギャップは増加した。したがってZnTe中のOの局在準位は禁制帯中に形成され、伝導帯下端を高エネルギーにシフトさせることがわかった。実験で得られたOの局在準位のエネルギー値を基準としてZnSeO/ZnTeOヘテロ接合のバンドアライメントを考えると、ZnSeOは電子に対して井戸、ZnTeOは正孔に対して井戸となるType-II型となることがわかった。またZnTeO混晶についてX線回折による格子定数測定と2次イオン質量分析によるO濃度測定の結果、OはTeを置換するサイト以外にも取り込まれていることがわかった。これらの研究成果から、擬似混晶のバンド構造を解析および設計する上で重要な知見を得た。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)