分子線エピタキシー法による自己形成量子ドット成長のその場時分割X線回折
Project/Area Number |
15760014
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
高橋 正光 特殊法人日本原子力研究所, 放射光科学研究センター・構造物性研究グループ, 副主任研究員 (00354986)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 放射光X線回折 / X線逆格子空間マッピング / 分子線エピタキシー / 量子ドット / InAs / GaAs / その場リアルタイム測定 / ガリウムひ素 / インジウムひ素 / 自己形成量子ドット / その場測定 / 時分割測定 / 放射光X線回析 / 逆格子マッピング |
Research Abstract |
本研究を通じて、分子線エピタキシー法によるGaAs基板上のlnGaAs量子ドットの形状・ひずみ・組成の定量分析を可能にし、かつリアルタイムでの評価を可能にする手法として、その場X線回折による方法が考案・実証された。研究成果は以下の三つよりなる。 第一に、量子ドットの成長の出発点となるGaAs(001)一(2×4)表面、c(4×4)表面の原子レベルでの構造を、成長条件下でその場X線回折測定することに成功した。(2×4)表面では、従来、室温での測定で確認されていたβ2一(2×4)と呼ばれる構造と、α2一(2×4)と呼ばれる構造とが、実際の成長条件下でも形成していることを実証した。c(4×4)表面では、表面以下第六層目までの原子座標を精密に解析し、Ga-As二量体からなる新しい表面構造モデルが正しいことを確認した。 第二に、量子ドットのその場X線逆格子空間マッピングを世界で初めておこなった。この手法の開発により、作成した量子ドットを大気中に取り出すことなく、その場で三次元形状・ひずみ・組成を解析できるようになった。成長段階の異なる量子ドットを比較し、成長の進行にともなって、量子ドットの内部でlnAsとGaAsの合金化が進行していくことを明らかにした。 第三に、量子ドット成長中に、時間分解能8秒でX線逆格子空間マッピングする手法を実現した。これにより、量子ドットの形成・As雰囲気下での成長中断・GaA.sによる埋め込みの一連の過程において、量子ドットの形状・ひずみが著しく変化していく様子が明らかとなった。 以上により、量子ドット成長過程の動的な構造解析手法が開発された。これは、量子ドットのみならずさまざまな結晶成長過程の研究の可能性を広げるものであり、MBE法によるデバイス作製技術に大きな進展をもたらすことが期待できる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)