Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
生体の力学的因子による損傷については,現在シミュレーションによる評価手法が盛んに検討されており,特に有限要素解析は症例の発生要因評価,手術方法リハビリ手法の検討など多くの場面で活用されている.ただし,これに必要とされる構成式などの生体組織の力学的物性値に関しては,基本的なデータベース構築が急がれているが未だ十分な状態には無いと言える.特に,その高信頼性を要求される複雑な現象の解析に物性値に関しては,その計測法等も含めて改善すべき点は多い. そこで平成16年度は,非侵襲診断技術への応用を目指して,押し込み試験器の開発を実施した.この中では,特に高精度診療と装置の安全性確保を目的として,パルスコントローラとA/D変換ボードを組み込んだPCによる制御方法を検討した。とくに,高速で移動する圧子を安全に止めるためのシステム開発に注力し,その実現可能性を検討した. この結果,既存の制御方法によっては,人体の筋肉等の数センチ厚の軟組織の力学的特性を特別な考慮無くして実現が困難であることが分かり,一般的な制御機構より高速度・高精度なシステムの構築,あるいは根本的に考え直した新たな思想による制御システムの創製が,本研究の実用化には不可欠であることが明らかとなって来た.このため当該年度内では,整備したシステムの特性検証を実施し,この特性値に準じて計測結果を校正することによってある程度まで計測可能であることが分かった. また併せて,この粘弾性特性の発現要因を明らかにするため,前年度に開発を開始した環境槽の高機能化(温度・圧力制御の機能追加)を実施した,さらに,顕微鏡下で細胞変形を観察し,とくにこれを複屈折顕微鏡下で2軸応力状態の実験を実現することで,細胞の変形因子を検討できることを示した. 本研究成果を基にして,ここで明らかとなった課題点の克服が早急に求められる.
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