Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本プロジェクトの最終年度にあたる平成17年度は,それまでの成果をふまえて,Coated Conductorの基板として用いられている一つであるISD(Inclined Substrate Deposition)法で作製されたMgO基板を用いて,強磁場中CVDでYBCO膜の作製を行い,その組織,配向性,超伝導特性の評価結果について示した.MgO基板では,成膜中における磁場の印加によって,面内配向性,臨界温度,不可逆磁場,臨界電流密度の向上が見られることが分かった.さらに,詳細な輸送特性を評価した結果,B//c方向に優位に働くc軸相関ピンが存在し,ゼロ磁場中で作製した膜においては,これまでに観測されたことのない,2つのc軸相関ピンが働いているpinned vortex liquid相が存在することが分かった.同じ条件で,磁場中で作製した膜では,そのうち高温にある相が消滅し,低温ではc軸相関ピンの向上が見られた.これは磁場によって,一方のc軸相関ピンが抑制され,もう片方が強調されることを示唆しており,粒界,双晶,さらにはc軸方向に揃った欠陥などが存在していると考えられる.また,ある条件で作製した試料では,これまでに報告されたどのRE123よりも高い不可逆磁場相が存在している兆候を見出した.その値は77.3K,B//cで19Tを超えると予想される.また,ISD-MgO基板では,c軸配向粒と25°傾角粒が混在した組織の膜が得られた.成膜中で磁場を印加するとc軸配向粒の結晶性は向上するが,25°傾角粒は劣化することが分かった.これらの結果から,現在,世界的に開発競争が繰り広げられているCoated conductorの特性が大幅に向上できる可能性を示したとともに,c軸相関ピンのメカニズムについての新たな知見が得られた.
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