有極性高分子フィルムの高電界電気現象と絶縁破壊に関する研究
Project/Area Number |
15760228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Electronic materials/Electric materials
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
村上 義信 豊橋技術科学大学, 技術開発センター, 助手 (10342495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 雅行 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30115612)
穂積 直裕 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (30314090)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | エチレン酢酸ビニル共重合体 / キャリア移動度 / 絶縁破壊 / 表面温度上昇 / 熱的破壊 / 帯電防止剤 / 空間電荷 / 拡散 / エチレン酢酸ビニル共重台体 / 吸水 / 電圧印加履歴 |
Research Abstract |
1.電圧印加履歴が高分子絶縁材料中のキャリア移動度に及ぼす影響 空間電荷測定法を用いてEVA中のキャリアの移動度を測定した。バイアス電圧に重畳した「励起パルス」電圧によって電極から注入された電荷塊の動きを位置分解能を有するパルス静電応力法により追尾した。その結果、高電圧を一度経験したエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)フイルムはそれを経験していないEVAフィルムに比べ、キャリア移動度が高くなることがわかった。これは、高電界印加中に解離キャリアが発生し、これが注入キャリアに比べ動き易い場合、その後に注入された電荷塊が中和するようにキャリアが移動するため、空間電荷が速く動いているように見えるためと考えられた。 2.室温領域におけるEVAフィルムの熱破壊の解析 室温領域におけるEVAフィルムの絶縁破壊機構を解明するため、サーモグラフを用いて絶縁破壊に至るまでの表面温度計測を行った。フィルムの熱的物理定数等を用いてフィルム温度上昇を計算した結果と上記の実験結果が比較的よく一致した。したがって、室温領域におけるEVAフィルムの絶縁破壊機構は熱的破壊であることが示唆された。 3.高分子絶縁材料中に存在する帯電防止剤の空間電荷測定による拡散過程の可視化と数値計算 帯電防止を必要とするパッケージフィルムには、中間層および帯電防止処理を施した融着層からなる複合層が存在する。濃度拡散によって添加剤が中間層に移行し帯電防止効果が損なわれる恐れがあるため、その拡散過程を正確に把握する必要がある。そこで本研究では低密度ポリエチレン(LDPE)と帯電防止剤を混入したEVAの複合層を用いて空間電荷を測定し、帯電防止剤拡散過程との関連性を評価した。その結果、EVA/LDPE複合層の界面付近の電荷は時間と共に減少し、LDPE側へ移動した。体積導電率の時間変化に基づいて帯電電荷量を数値計算した結果と上記の実験結果が定性的に一致した。したがって、帯電防止剤濃度と体積抵抗率の関係が予め判っており、かつ一意であれば、空間電荷の時間変化を測定することにより帯電防止剤の拡散過程を評価することが可能であると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)