Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
近年,MIMOシステムの実用化研究が進み,いくつかの市販のシステムも見られるようになってきている.特に無線LANにおいては,アクセスポイント側に関しては,ある程度のサイズが許容できるため,アレーの設計の自由度が高い.しかしながら,端末(PC)側では,アレーの設置面積が極めて限られる.その様な場合において,如何にMIMOの特徴を引き出すかが,重要な課題であった.本研究の目的である高精度MIMO伝搬チャネル推定を遂行するためには,アレーにおける素子間相互結合の影響を正確に把握し,キャリブレーションする必要がある.最終年度である本年は,送受信アレーの素子間相互結合の校正手法,素子間相互結合のMIMOシステムに与える影響,それらの実験的検証を行った. (1)送受信アレーの素子間相互結合の推定手法 半波長ダイポールのようなシングルモード素子からなるアレーアンテナの素子間相互結合を観測量(端子電圧・電流)のみでいかに正しく推定するかと言う問題に取り組み,送信・受信時では動作原理が異なることにより,校正インピーダンス値が変化することを明らかにし,端子電圧・電流からの校正行列の推定法を開発し,その精度を検証した. (2)MIMOアレーにおける素子間相互結合の影響と,その実験的検証 上述の成果を用いて,MIMOアレーの最適化に関する研究を実施した.解析結果より,各素子を入力インピーダンスの複素共役整合することにより,校正せずとも従来のシステムに対して20%の容量増加が期待できることを明らかにした.これは素子間相互結合による素子パタンの変化がMIMOにおけるパス間相関の抑圧に寄与するためである.共役整合時の実験自体は困難であったため,ここでは50オーム整合時の様々な素子間隔におけるMIMO実験を行い,解析手法の妥当性を実証した.
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