Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Research Abstract |
地盤環境問題のうち本研究では,(1)土壌・地下水汚染に代表される地盤環境問題と,(2)豪雨による斜面安定問題の2つに注目した。(1)に関しては,汚染物質の地中での挙動を定量的に評価し,汚染土壌を効率よく改善するために土壌の汚染度を簡便かつ正確に測定することが重要であるが,現在,実際にサンプリングする方法が唯一であり,原位置において土壌汚染度の経時的な変化を把握することは困難である。また,物質移行の重要なパラメータである有効間隙率については,原位置で測定する方法がなく,より詳細な調査・シミュレーションを行う上での大きな障害となっている。一方,(2)に関しては,斜面崩壊の予測に対しての誘電率計測法の適用である。これまでに斜面崩壊と地盤中の水分量は密接に関係しており,予測手法としての可能性を示した。しかし,実際には長期間の地盤中の水分量を正確に測定する必要がある。そのため他の方法と比較して,長期計測に適していると考えられている本計測法を用いて,これまで検証した例のない長期計測の精度を議論するものである。 研究の目的としては,現在所有のFDR法の原位置での適用性に関するデータの取得が主であり,汚染度の測定と水分量の長期計測に大別される。 そこで,所有のFDR法(Frequency Domain Reflectmetry)による同軸プローブセンサーを直接地盤に挿入して誘電率の分布を測定し,経時的な汚染度の変化を測定する方法の開発を行い,これまでにその有用性が明らかになった。さらに,地盤中にトレーサーとしてエタノール調整液を浸透させ,地盤中の有効間隙率をFDR法で測定する手法に関してもその可能性が明らかになっている。この場合のエタノール調整液は,水と同様の比重に調整してあるため,従来トレーサー試験に用いられてきた塩水の場合と比較して重力による影響がなく,より正確な地盤浸透特性を測定することが可能であり,地下水環境も悪化させる危険性がないのが特徴である。 本年度の研究では,原位置でのトレーサー試験,有効間隙率の測定に関する検討を室内土層を用いて実施し,良好な結果を得た。また斜面内水分量計測に関しては,長期計測(1年程度)を実施し,降雨の斜面への浸透挙動を明らかにした。
|