高齢者施設における利用者・職員の「はきもの」の実態とその座位・居方への影響
Project/Area Number |
15760457
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Town planning/Architectural planning
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三浦 研 京都大学, 工学研究科, 助手 (70311743)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | はきもの / 床 / 高齢者施設 / 居方 / 床座 / 椅子座 / ADL |
Research Abstract |
本年度は、「はきもの」の有無が高齢者と介護職員の姿勢、居合に及ぼす影響を明らかにするため、母体施設と逆デイサービス実施先民家における介護職員の動きと利用者の姿勢から介護場面についての分析を主に実施した。 介護職員の姿勢を1秒ごとに分析した結果、母体施設の歩行時間は530秒と長く、調査時間2460秒の21.5%(約1/4)を占めるのに対して、逆デイでは189秒(7.7%)に留まること。一回当たりの平均歩行時間も、逆デイ6.1秒、母体施設14.3秒と母体施設が長く、その分布も逆デイでは母体施設よりも短時間の歩行が増加し、長時間の歩行の減少が示された。また、介護職員の動線についても母体施設では担当ユニットを超えた移動が多く、逆デイでは短いことから、母体施設では廊下端や屋外から痴呆の利用者をリビングに連れ戻す動き、トイレへの誘導が介護職員の歩行時間を伸ばすなどの認知症利用者への対応と諸機能の空間的な広がりが介護職員の歩行時間を増加させる一因であり、逆デイ先の民家については、コンパクトな空間構成が移動時間を減少させたと考えられる。 また、民家を活用した逆デイサービスが介護職員の姿勢、とりわけ介護場面に及ぼす影響について考察し、介護職員の姿勢全般を母体施設と逆デイ間で比較すると、逆デイでは、直立の姿勢が減少し、床に座る、立膝、かがむ姿勢が増加し、利用者に関わり持った介護場面の姿勢について分析すると、母体施設で多かった、直立(介護職員)-椅子(利用者)、歩行(介護職員)-歩行(利用者)が逆デイにおいて減少し、介護職員(床)-利用者(床)が大幅に増加していた。 以上、「はきもの」を脱ぐ住様式と民家というコンパクトな空間が歩行時間の減少をもたらし、落ち着いた状態で利用者と共に過ごす時間を増加させ、利用者-介護職員の関係性が安定することが民家改修型の小規模介護拠点の有効といえる結果が得られた。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)