Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本研究は低層高密市街地を対象として,日照・採光などの居住環境の確保の面で特に大きな役割を担っている街区周辺の街路自体が持つ,居住環境を担保する性能について,定量的な評価を行うことを目的としている。本年度はまず街路に面した壁面における日照・採光環境の評価指標の整理を行った。これまでの研究では主に水平面における日照・採光評価が行われ,建築基準法等に取り入れられてきたことが分かっているが,本研究では垂直面における日照・採光評価を行ううえで適当な指標をレビューした.その結果,イギリスでは,水平面における採光を基準とする日本とは異なり,垂直面への採光を重視した指標(Vertical Sky Component:垂直天空成分)が提案されていることが分かった。次に,数値地図より生成された街路幅員および方位にもとづき,現況市街地における街路と水平面,および垂直面における日照および採光の評価をまずおこない,次に平面における採光水準を満たして建築される場合の,街区内における建築可能空間を考察した。その結果として,平面における採光水準を満たす建築形態のうち,敷地境界から距離を開けた場合には,狭小敷地においても,高さが突出し,建築形態が多様化する可能性があることが確認された。これらを踏まえ,垂直天空成分の水準の決定を行い,それを満たす市街地モデルを生成した結果,建築物の高さ方向に対するコントロールがより有効に働くことが分かった。
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