Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
1.凝縮性ガス透過シミュレーションによるマイクロ孔充填・透過機構の検討 非平衡分子動力学法を用いて凝縮性ガス(エタン)の透過シミュレーションを行ったところ,マイクロ孔充填相の形成による透過速度の低下が見られ,その際の圧力は細孔径が大きい方が高くなった.また,透過分子の蒸発エネルギーと吸着エネルギーを用いてマイクロ孔充填相の移動モデルを構築し,細孔径分布を考慮して数値シミュレーションを行ったところ,透過分子と膜細孔表面との相互作用および細孔径分布に由来する透過速度の減少傾向が良好に再現され,分子充填相透過現象を利用したサブナノ細孔径分布評価の理論的妥当性が示された. 2.凝縮性ガスの膜材料表面との相互作用エネルギーの評価 膜材料のシリカコロイドゾルを乾燥させ,1000℃で焼成して作成した非多孔性粉体試料における標準凝縮性ガス(エタン,プロパン,ブタン)の吸着等温線を測定し,Frenkel吸着理論を用いて各ガスとシリカ材料との相互作用パラメータを求めた.シリンダー状の細孔形状を仮定することにより,非多孔性固体表面との相互作用パラメータを基準として,細孔内ポテンシャル場の細孔径依存性を得る手法を確立した. 3.膜細孔径分布評価法の妥当性の検討 平均細孔径が異なる3種類の実在多孔性シリカ膜において,標準凝縮性ガスの透過速度の圧力依存性を測定した.標準凝縮性ガスの細孔内ポテンシャルと細孔径の関係および吸着ポテンシャル理論を用いて,透過速度の圧力依存性を透過速度と細孔径の関係に換算することにより,ガス透過に有効な細孔径分布を推算可能であった.どの凝縮性ガスを標準ガスとして用いてもそれぞれの膜について同様な細孔径分布が得られ,また,透過速度の分子サイズ依存性から予測された細孔径との定量的な一致も見られ,マイクロ孔充填相透過モデルを利用したサブナノ膜細孔径分布評価法の妥当性が示唆された.
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