低温でイオン照射された金属中に生成するカスケードデブリの構造解析
Project/Area Number |
15760635
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nuclear engineering
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩井 岳夫 東京大学, 原子力研究総合センター, 助手 (30272529)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 陽電子ビーム / ドップラー拡がり / 空孔型欠陥 / イオンビーム |
Research Abstract |
本研究では、イオン照射することによってカスケード損傷を導入し、それに対して陽電子をプローブとして注入することによって原子レベルの欠陥分析を実施し、カスケード損傷構造に対する実験的な知見を与えることを目的とする。鉄およびニッケルに注目して実験を行い、カスケードデブリとして存在するナノボイドの大きさの測定、さらにそれに対する注入イオン種やイオンエネルギーの効果を明らかにすることを目的とする。 本年度も前年度に引き続き、種々の条件のイオンを純鉄に照射することによって生成するナノボイドの蓄積過程を室温で調べ、さらに照射後の等時焼鈍によって回復過程を調べた。その結果、(1)イオン照射に伴って空孔型欠陥の蓄積を示すSパラメータの上昇が見られ、その上昇は照射量増大とともに飽和する傾向であった(2)飽和した時点でのSパラメータは生成するナノボイドの大きさを表し、重いイオンほど大きいナノボイドを生成しているという傾向が現れた(3)照射後の等時焼鈍による回復過程は、全体的には入射イオンによらずほぼ同一のステージであったが、鉄イオン照射材のみ高温側にも回復ステージが現れた。また、ニッケルについては膜厚や加工条件の異なる試料に対してイオン照射下での陽電子ドップラー測定を行い、照射を止めるとすぐに消滅してしまう空孔型欠陥の存在を示唆する実験結果を得た。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)