2原子酸素添加酵素の反応中間体結晶構造に基づいた触媒反応機構解析
Project/Area Number |
15770077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural biochemistry
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
千田 俊哉 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物情報解析研究センター, 主任研究員 (30272868)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | X線結晶構造解析 / 2原子酸素添加酵素 / 反応中間体構造 / エクストラジオール型 / 芳香族分解系 / ノンヘム鉄 / 阻害剤 / 配位構造 / 反応機構 / 反応中間体 / 構造生物学 |
Research Abstract |
Extradiol型2原子酸素添加酵素は、芳香族化合物の代謝においてキーとなる酵素で、古くから精力的に研究されてきた。これらの酵素は活性中心に2価のノンヘム鉄を含んでおり、カテコール環に酸素原子を2個付加することで芳香環を開裂する。本研究では、extradiol型2原子酸素添加酵素の反応中間体構造を超高分解能で決定し、extradiol型2原子酸素添加酵素の触媒反応機構を明らかにすることを目指した。 まず超高分解能の結晶構造を決定する為に、BphCの精製度を上げて結晶化を行った。その結果、分解能を1.45Åから1.3Å分解能まであげる事に成功した。この結晶を用いることで、活性中心の詳細な構造を決定する事が出来た。特に、低酸素濃度下で決定した構造では、これまで分子種が不明(O_2もしくはO_2^-である可能性を否定できなかった)であった鉄めリガンドが、OもしくはOHである事がはっきりと示された。また、本研究期間中に共同研究者により、4-メチルカテコールや、4-クロロカテコールが、BphCのユニークな阻害剤である事が示された。この知見は、本酵素の工学的応用に重要であるため、これらの阻害剤の触媒反応阻害機構を立体構造に基づき解析した。これらの阻害剤とBphCとの複合体の高分解能結晶構造の決定を行った結果、驚くべき事にこれらの4位置換阻害剤は、通常の基質と結合様式が全く異なっていることが明らかになった(論文準備中)。具体的には、4位置換の阻害剤の場合は、2つの水酸基が鉄イオンを中心としたOctahedralの配位構造中で共にequatorialの位置を占めていることが明らかになった(基質では、1つの水酸基がaxialに、他方の水酸基がequatorialな位置に結合する)。このような阻害形式は、初めて見いだされたもので極めて興味深い。構造を検討した結果、この異常な結合様式は、基質ポケットの形状に起因するとものと考えられた。この結果、基質結合ポケットの形状を変える事で、特定の基質に対して耐性の(失活しにくい)酵素を設計できる可能性があることが示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)