リボザイムからRNA‐蛋白質複合体への進化プロセスのモデル化
Project/Area Number |
15770110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Molecular biology
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Research Institution | Kyushu University (2004) Kyoto University (2003) |
Principal Investigator |
井川 善也 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (70281087)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | RNA / 蛋白質 / 機能移譲 / リボザイム / 分子進化 / RNP / 複合体 |
Research Abstract |
機能性生体高分子の分子進化の初期過程で生じたと考えられるRNAから蛋白質因子への機能移譲を4つの素過程にモデル化し、そのモデル分子を実際に構築することを目指した。 H15年度に前半の2過程のモデル化に成功したため、H16年度は後半の2過程のモデル化を試みた。その結果、第3過程となる「進化中間体2」のモデル分子の構築に成功した。構築されたモデル分子においては期待されたように、RNA成分でもある程度の機能を保ちつつ、蛋白質因子の付加によって、さらに2倍の活性の向上がみられた。このことは、進化の中間状態における、RNAと蛋白質因子が同程度の寄与で等価な機能を重複してになっていたとする仮説に合致する。 さらにこの「進化中間体2」のモデル化の成功に続き、進化の最終過程である、RNA-蛋白質複合体のモデル化にも成功した。「進化中間体2」から変異によってRNA因子の寄与を取り去った結果、そのRNAは単独ではほとんど活性を保持できないことが明らかとなった。この単独では活性を持たないRNAに対して、蛋白質因子を加えた場合、両者がRNA-蛋白質複合体を形成し、活性を回復することが明らかとなった。またこのRNA-蛋白質複合体の活性は、もとのRNA酵素の活性とほぼ同等であることも示された。以上の2年間の研究において、RNAから蛋白質因子への機能移譲を4つの素過程のすべてのモデル化に成功した。 さらに、こうした機能委譲が、実際の生体内で起こり得るのかを検討するため、これらの分子種を大腸菌内で発現させ、その機能発現が大腸菌の増殖速度でモニターできる系を構築した。現在その系を用いて、連続的な機能の移譲の実験的検証を試みている。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)