神経細胞における細胞質mRNA輸送粒子の分子構築と機能解析
Project/Area Number |
15770132
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
椎名 伸之 国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 助手 (30332175)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | RNG105 / RNA結合タンパク質 / 神経 / RNA granule / 局所的タンパク合成 / シナプス可塑性 / 樹状突起 / BDNF / 翻訳抑制 |
Research Abstract |
中枢神経細胞において、特定のmRNAが樹状突起へ輸送され、これらがシナプス刺激依存的に局所的に翻訳されることが、個々のシナプスの長期増強に必要であり、また記憶や学習に必須のメカニズムであることが明らかになってきた。mRNAの輸送と局所的タンパク合成制御には、RNA granuleが中心的な役割を担っている。これまでに我々は、RNA granuleの新規構成要素としてRNG105(RNA granule protein 105)を同定し、その機能解析をおこなってきた。 RNG105が局在するRNA granuleには、シナプス可塑性に必須の役割を果たすCaMキナーゼIIαなどのmRNAが局在していることを明らかにした。また、RNG105は直接mRNAに結合し、in vitroにおいてもin vivoにおいても翻訳を抑制する活性をもつことを明らかにした。この翻訳抑制は、RNA granuleが定常状態において翻訳静止状態にあるという実験結果とよく一致した。シナプス刺激のない条件下ではRNG105はRNA granuleに局在するが、シナプス刺激(BDNF刺激)によってRNA granuleから解離することがわかった。この解離は、RNA granule近傍での局所的タンパク合成の活性化と密接に関連していた。以上の結果から、RNG105はRNA granuleにおけるタンパク合成抑制因子であり、シナプス刺激依存的にRNA granuleから解離し、その結果刺激されたシナプスにおいて局所的タンパク合成が起こる、というメカニズムを考えることができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)