Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2004: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
これまでの研究から,ベンケイソウ科のカランコエ属をはじめとする数種の多肉植物において,乾燥ストレスと光の複合的な要因によって葉肉細胞の葉緑体が集合する現象を見出した.この現象は,一般的に知られている植物,イネ,トウモロコシ,エンドウ,ソバでは見出されず,CAMを遂行する多肉植物のみで見出された.この場合,葉緑体の集合体は細胞内部に塊状体として形成される.このような集合体の形成は,植物ホルモンの一つであるアブシジン酸(ABA)によっても誘導され,さらに集合体が形成されることで葉の光透過率が著しく上昇することが明らかになった.これらの結果から,多肉植物で見出された葉緑体の集合現象は,乾燥ストレス応答に密接に関連した形態反応であると考えられた. 本年度の実験では,多肉植物における葉緑体の運動機構を明らかにするため,葉緑体集合運動に対する光質の影響や,細胞骨格を担うアクチン繊維と微小管との関わりについて調査した. カランコエ葉の葉片を,蒸留水(対照区),50μg/mlのサイトカラシンB溶液(アクチン繊維阻害区),および50μg/mlのノコダゾール溶液(微小管阻害区)に浸し,12時間遮光した.その後,それぞれの葉を5μMのABA溶液に移し,青色光,赤色光,紫外光を照射した. その結果,(1)多肉植物における葉緑体集合運動では青色光および紫外光の関与が示唆された.(2)葉緑体集合運動とアクチン繊維の関わりが示唆された.(3)葉緑体の集合誘導の情報伝達経路では,光受容の下流にアクチン繊維による制御機構があることが考えられた.
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