Project/Area Number |
15780068
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied biochemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 憲典 東京大学, 生物生産工学研究センター, 助手 (20312241)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | テルペノイド / イソペンテニル2リン酸 / ジメチルアリル2リン酸 / メバロン酸経路 / メチルエリスリトールリン酸経路 / ユビキノン |
Research Abstract |
本年度は、シロイヌナズナの2種のイソペンテニル2リン酸(IPP)イソメラーゼ遺伝子(AtIPP1,AtIPP2)の変異体である、atipp1破壊株とatipp2破壊株のタンパクレベルでの欠失を確認するため、AtIPP2ポリクローナル抗体を用いたウエスタン解析を進めた。野生株とそれぞれの変異体の根、ロゼット葉、茎生葉、茎、花芽、鞘より粗タンパク質を抽出しウエスタンブロッティングに供したところ、野生株の根において30kDa付近に現れる近接した2つのバンドが検出された。また、このバンドのそれぞれ一方がAtIPP1、AtIPP2に対応していることが、各変異体においてバンドの片方のみが消失することから明らかとなった。しかしながら、これら単独破壊株では何ら表現型が見られないことから、それぞれの変異体の掛け合わせによるatipp1/atipp2二重破壊株を作成した。その結果、二重破壊株では発芽時からクロロフィル色素の低下による白化が見られたが、完全に色素合成能を失ってはいなかった。このことから、AtIPP1とAtIPP2は互いに機能相補しており、その酵素機能であるIPPとジメチルアリル2リン酸(DMAPP)との異性化が、細胞質のメバロン酸経路のみならず、メチルエリスリトールリン酸(MEP)経路が働くプラスチドでのテルペノイド合成にも部分的に必要であることが示された。さらに、MEP経路と本酵素の関与を追究するため、MEP経路の最終段階においてIPPとDMAPPの両方の供給を担うAtLYTB遺伝子のプロモーター領域にT-DNAが挿入されたatlytb変異体を用いた解析を行った。本変異体はMEP経路由来のIPP、DMAPPが不足するため、弱い白化形質を示す。ミトコンドリアに局在が確認されたAtIPP2をatlytb変異体で発現させたところ、この白化形質が完全に相補されたのに対し、細胞質型と考えられるAtIPP1を発現させた場合には白化形質が強まる傾向が見られた。これらの結果は、atlytb変異体において不足したプラスチド内のIPPあるいはDMAPPが、AtIPP2の高発現により供給され、またAtIPP1の発現ではさらに減少することを示唆している。今後、atlytb変異体相補に寄与したIPP, DMAPPがメバロン酸経路とMEP経路のどちらから供給されたのかを突き止めることで、IPPイソメラーゼの本来の役割を明らかにして行く。
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