Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
これまで,農業用溜池は利水者による様々な管理作業により良好に維持されてきたが,近年になり,農業の衰退や農業従事者の高齢化などにより管理が粗放化されるのに伴い,水質をはじめとする水環境の悪化が懸念されるようになってきている.本研究では,従来は行われてきたが,近年実施されることが少なくなった落水に注目し,落水が水質の及ぼす影響を検討している.本年は,特に落水による脱窒の影響を中心として研究を進めた.岐阜大学内バンガ池より採取した底泥試料を三角フラスコ内で完全密封し,脱窒を進行させ,その後に真空デシケータおよびガスクロマトグラフにより脱窒量を直接計測したところ,落水の前後において顕著な差は見られなかった.一方で,溶出としてアンモニア態窒素が増大した.これらのことから,溜池における乾土効果とおぼしき現象は脱窒菌の活動低下よりもむしろ,硝化細菌の活動低下が主な理由ではないかとの結論に至った.ただし,容器内の計測において窒素量の修士が完全には一致していないことから,結論についても依然検討の余地が残されている.また,これまでの調査および実験よりリンの溶出現象に関して,底泥内の鉄の状態が大きく影響している可能性が示唆されていたが,本年度の実験からは明確な傾向が得られなかった.現時点での知見より,浚渫を伴わない,落水のみでは,リンの溶出については多少の減少が見られるものの,窒素量については明確に増加することが明らかとなっており,全体としては,必ずしも期待される効果が見られない可能性が高くなった.
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