炎症性疼痛過敏の発症メカニズムにおけるATP受容体の役割
Project/Area Number |
15790112
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General anatomy (including Histology/Embryology)
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
戴 毅 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (20330441)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | DRG / P2X受容体 / PAR2 / ERK / ATP / Fos / tryptase / P2X / pain / inflammation |
Research Abstract |
正常ラット後根神経節(DRG)ニューロンにおける各ATP受容体サブタイプの詳細な分布を調べた。また慢性炎症モデル動物において、後根神経節(DRG)ニューロンの各ATP受容体サブタイプと末梢組織への侵害刺激との相関関係を調べた。炎症痛の発症メカニズムの一つとして、Tryptaseなどproteinase activated receptor 2 (PAR2)のアゴニストによるATP受容体の活性増強を認めた。 1.ATP受容体サブタイプのRNAプローブを作成した。ラットDRGにてin situハイブリダイゼーションを行い各サブタイプの存在を調べ、同時にその分布も明らかにした。この成果はJ.Comp.Neurol.481:377-90、2005にて発表した。 2.ラット末梢炎症モデルにおいてP2X3受容体のアゴニストをラット足底部に注射し、一定時間後のDRGニューロンでのERKのリン酸化を検索した。炎症状態ではP2X3受容体の感受性が上昇することが観察された。モデルラットの足底に圧刺激、温度刺激を定量的に与え、誘導されたリン酸化ERKとP2X3の共存を免疫二重染色法で検証した。炎症状態においてリン酸化ERKの発現およびP2X3との共存率が有意に上昇した。またP2X受容体のアンタゴニストによりこのリン酸化ERKの発現が有意に抑制された。この成果は国際疹痛学会機関誌Pain 108,258-66.2004に掲載された。 3.P2X3受容体はPAR2との共存率が高く、αβmet-ATP足底注射により痛み行動や脊髄後角で誘導されたFosタンパクは、PAR-2選択的なアゴニスト投与によって増強(増加)されたことを証明した。炎症時産生されるTryptaseなどPAR-2アゴニストによるATP受容体の活性増強が炎症性疼痛発症機序の一つであることが示唆された。(論文作成中)
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)