消化器がんにおけるがん関連遺伝子の異常メチル化と臨床病理学的諸性状との関係
Project/Area Number |
15790176
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
秋山 好光 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (80262187)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 胃がん / 大腸がん / メチル化 / 3p21 / CpGアイランド / 未分化型がん / カルシウムチャンネル / 胃癌 / 大腸癌 / CpG island |
Research Abstract |
がん関連遺伝子の異常メチル化は主に遺伝子プロモーター領域や転写開始部位に存在するCpGアイランドに特異的に起こり、その結果として遺伝子発現が抑制される。我々はがんで染色体欠失の多い3p21領域についてコンピュータ検索を行い、CACNA2D3遺伝子を明らかにした。CACNA2D3は電位依存性カルシウムチャンネルの構成要素の一つであるα2δ3サブユニットをコードしている。最近、カルシウムチャンネル関連遺伝子CALCA1IとCACNA1Gのメチル化が消化器がんの発生に関わっていることが報告されたがCACNA2D3と発がんとの関係は不明である。本研究では、胃がんにおけるCACNA2D3のメチル化と臨床病理学的諸性状との関連を検討した。CACNA2D3遺伝子の発現はRT-PCR法で、メチル化の有無は5'上流のCpG領域でメチル化特異的PCR法で調べた。胃がん培養細胞4例のうちKATO-IIIとGT3TKB細胞ではCACNA2D3発現が消失しており、メチル化が認められた。両細胞DNAのBisulfite sequencingの結果、CACNA2D3の5上流CpGアイランドは広範囲にメチル化を受けていた。これらのがん細胞を脱メチル化剤5-aza-2'-deoxycytidineで処理した結果、CACNA2D3発現が誘導された。CACNA2D3のメチル化は正常胃粘膜上皮では陰性で、原発性胃がん症例45例中14例(31.1%)が陽性であった。その頻度は未分化型がん(11/22)の方が分化型(3/21)よりも有意に高かった(P<0.02)。また、CACNA2D3のメチル化および発現異常は大腸がんにおいても同様に検出された。カルシウムイオンは生体内で細胞接着などに関わっているので、CACNA2D3がメチル化を受けるとこれらに影響を与えて、がん化に関与する可能性が考えられる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(11 results)