エピジェネティック異常による消化管癌の遺伝子発現制御と浸潤・転移への影響
Project/Area Number |
15790185
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | Radiation Effects Research Foundation (2004) Hiroshima University (2003) |
Principal Investigator |
伊藤 玲子 財団法人放射線影響研究所, 放射線生物学/分子疫学部, 研究員 (30283790)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 胃癌 / メチル化 / 浸潤 / 転移 / 予後 / ヒストンアセチル化 |
Research Abstract |
胃癌でエピジェネティック異常を伴う遺伝子について、臨床病理学的因子や予後との関係を解析した。Maspinは、胃癌組織でメチル化が認められ、非腫瘍部粘膜や腺腫と比較して胃癌組織での発現低下が顕著であった。さらに、Maspin陽性率は胃癌の進行に従って低下していた。胃癌細胞株では検索した8株全てでメチル化を伴っていた。また、Maspinはp53により制御されており、p53の異常蓄積とMaspinの発現には逆相関が認められた。従って、Maspinのメチル化による発現消失は胃癌の進行に大きく関与し、さらにその発現はp53を介する経路で制御されていることが示唆された。 また、胃癌の浸潤・転移に関与する遺伝子についての解析では、Cblについて非常に興味深い結果が得られた。CblはEGFRの発現を調節することが報告されたが、進行胃癌において有意に高発現を認め、さらに、リンパ節転移や予後とも相関が認められた。また、CblとEGFRをともに発現する胃癌症例は、有意に予後不良であった。これらのことより、CblはEGFR系を調節し、胃癌の発生のみならず浸潤・転移、さらには予後を左右する重要な因子であることが示唆された。 SAGE法により胃癌において発現が上昇する因子としてcaveolin-1やCDH17を同定したが、これらの遺伝子も胃癌の進行に関与することが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)