慢性胆嚢炎の発癌作用:酸化ストレスによる8オキソグアニン産生と遺伝子不安定性亢進
Project/Area Number |
15790191
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
柳澤 信之 北里大, 医学部, 助手 (80337914)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | 慢性胆嚢炎 / 胆嚢癌 / 酸化的ストレス |
Research Abstract |
1.現在までの我々の解析で多くの胆嚢癌では慢性胆嚢炎-胆嚢癌連関があることがつよく示唆される。そこでこれらの現象は炎症に伴う酸化的ストレスによる粘膜障害と想定し、平成15年度はmicrosatellite instability (MSI)解析及びp16遺伝子異常の同定について下記のように検索した。 胆嚢癌17症例及びその背景粘膜15例、高度な慢性胆嚢炎粘膜30例、正常胆嚢粘膜13例のホルマリン固定・パラフィン切片から目的の上皮細胞をmicrodissectionし、DNAを抽出した。対照の正常部組織はリンパ節や固有筋層を使用した。 (1)microsatellite markerは2、3、4、5、17、18番染色体(計11箇所)を選択し、PCR-SSCP法にて解析した。判定方法は正常部DNAとの比較から一方のアレルに対応するバンドが消失ないし減弱している例をloss of heterozygosity(LOH)、30%(4個)以上のmarkerで正常部DNAでは認められないバンドが出現している例をMSI-high(H)、30%(3個以下)未満の例をMSI-low(L)と判定した。 (2)9番染色体短腕上のp16遺伝子近傍にある5箇所のmicrosatellite markerを用いてPCR-Gene Scan法にてp16遺伝子のLOHを検索した。 2.結果: (1)胆嚢癌はMSI-L:35%、MSI-H:6%で、その背景粘膜にも33%のMSI-Lがみられた。さらに高度な慢性胆嚢炎の粘膜でも既にMSIが高頻度に出現していた(MSI-L:30%)。同様にLOHも各群で確認された(胆嚢癌:35%・背景粘膜:7%、胆嚢炎:10%)(Am.J.Clin.Pathol.2003)。 (2)胆嚢癌ではp16遺伝子のLOHが42%みられた。胆嚢炎は症例を追加し現在解析中である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)