Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
市販の水産油脂加工食品(魚油等を原料とした健康食品・サプリメント)の汚染実態調査を行い,深海ザメ(アイザメ)肝油やタラ肝油を原料とした製品の一部に,比較的高濃度(ppmまたはサブppmオーダー)のPCB,DDT類,クロルデン類および数十ppbオーダーのポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDE)が残留することを明らかにした.この事実は,近年問題となっているPBDEを含む各種有機ハロゲン化合物による海洋汚染が深海域まで達していることを示唆するものである.以上の知見は,深海の清浄性や神秘性を強調したイメージ戦略に基づき各種の加工食品が濫造される近年の市場傾向に一石を投ずるものであり,消費者が適切な商品選択をする際の指標として,また,水産油脂を利用した,より安全な加工食品・医薬品の開発に役立つものと期待される.なお,今回の調査では水産油脂加工食品の日常的摂取による上記有機ハロゲン化合物の暴露量は健康影響上直ちに問題となるレベルではないと試算されたが,予防的・倫理的な観点から,各メーカーは汚染レベル低減に向けて自主的に精製法の改良等に取り組むべきであろう. 本研究の成果は以下の学会で発表した. 1)Kazuhiko Akutsu, Yukio Tanaka, "Analysis of Organohalogen contaminants in dietary fish oil supplements", China-Japan Joint Symposium on Environmental Chemistry,21-23 October 2004,Beijing, China. 2)阿久津和彦,田中之雄,"GC/MSによる水産油脂加工食品中のPCBsおよびPBDEsの分析",第7回日本水環境学会シンポジウム",2004年9月13・14日,東京.
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