網膜循環血行動態測定系を用いた高血圧発症メカニズムの解析及びその臨床応用
Project/Area Number |
15790295
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田口 理恵 東京大学, 保健センター, 助手 (90301126)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 血圧 / 微小循環 / 血行動態 / 薬物治療 / 指標 / 予防 / 公衆衛生看護 |
Research Abstract |
高血圧発症機序ならびにその予防、治療法の検討には、抵抗血管領域である網膜循環の血行動態の変化を解析すること有用である。本研究では、これまでに見出した高血圧患者における網膜循環における血流速度の上昇が、降圧治療によってどのように変化するか解析した。 未治療高血圧患者を対象とし、治療前と3ヶ月間のカルシウム拮抗薬治療後に、血圧及び網膜循環諸指標を測定した。網膜循環については、超音波カラードップラー法を用いて両眼の網膜中心動脈の収縮期(Vmax)ならびに拡張期血流速度(Vmin)を測定し、さらに眼底撮影の画像から網膜中心動静脈の血管径を算出した。 対象者の治療前の収縮期血圧は156.3±10.3mmHg、拡張期血圧は99.9±6.9mmHg、心拍数78.6/分であった。治療後の収縮期血圧は137.8±14.1mmHg、拡張期血圧は88.9±9.1mmHgであり、有意に低下していた。網膜中心動脈のVmax及びVminは治療後に顕著に低下していた(Vmax:11.0±2.7cm/sec vs.9.1±2.1cm/sec p<0.001、Vmin:3.9±1.2cm/sec vs.3.0±2.9cm/sec p<0.001)。また網膜中心動脈の血管径は、治療前109.1±12.1μm、治療後118.2±7.0μmであり、有意に拡張していた(p<0.001)。 このように本網膜循環血行動態諸指標は治療効果を鋭敏に反映しており、治療効果評価法として臨床応用が期待される。また本研究において、カルシウム拮抗薬治療による血流速度の低下は血管拡張作用を介することが示唆されており、さらに薬剤間での諸指標の変化について解析を行うことによって、本指標が治療薬選択の指針となる可能性が示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)