頭部外傷によるシナプトフィジンの変化と神経機能低下の解明
Project/Area Number |
15790319
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Legal medicine
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Research Institution | Saga University (2004) 佐賀医科大学 (2003) |
Principal Investigator |
猩々 英紀 佐賀大学, 医学部, 助手 (60284626)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 頭部外傷 / 神経細胞変性 / シナプトフィジン / 神経機能低下 |
Research Abstract |
本研究は頭部外傷による神経細胞損傷と神経機能低下に関する研究である。シナプス小胞膜タンパク質であるシナプトフィジン(SYP)はシナプスのマーカーとしてシナプスの密度や神経細胞数の指標として用いられている。頭部外傷に伴う神経細胞変性の機序及び神経機能低下について検討するために、脳挫傷モデル動物を用いて頭部外傷がSYPの分子動態に及ぼす影響を経時的に調べた。 Wistar系雄ラットに脳損傷作製装置Fluid Percussion Deviceを装着後、側方打撃を与えた。打撃強度は3.5atmとし、打撃後2、15及び30日目の損傷脳を試料として用いた。 打撃後2、15及び30日目の損傷脳において打撃部直下の白質に軸索損傷を認めた。また、SYPの免疫染色では軸索損傷部にSYPの貯留を認めた。打撃部直下の灰白質ではSYP抗体に対する反応性が増強し、SYPは打撃後経過時間に伴って萎縮した神経細胞体周辺へ局在していた。一方、NeuNの免疫染色では打撃部直下の灰白質においてNeuN抗体に対する反応性の増強を認め、萎縮した神経細胞が検出された。その萎縮した神経細胞数は打撃後時間経過に伴って増大していた。さらに、打撃後2日目では打撃部直下の灰白質および白質において反応性星状膠細胞を認め、GFAP抗体に対する反応性は打撃後経過時間に伴って変化した。以上の結果から、頭部外傷によるSYPの局在性の変化は、神経細胞やグリア細胞の受傷応答反応を反映しており、受傷後のシナプスや脳機能を示しているものと考えられた。 本研究成果の一部は第89次日本法医学会総会で発表予定であり、現在研究論文を取りまとめ中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)