Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
食道扁平上皮癌のリンパ節転移に関連する因子のスクリーニングに,食道癌培養細胞T.Tn (Sakai et al.Int.J.Oncol, 2002)を用いた.まず,in vitroにおいてT.Tn細胞から遊走能の高い細胞,あるいは細胞-細胞間,細胞-基質間の接着能の高い細胞をクローニング後,ヌードマウス同所性移植モデル(Furihata et al.Int.J.Oncol, 2001)を用いて,リンパ節転移を示す亜株T.Tn-AT1を分離した.次に,T.Tn細胞とT.Tn-AT1細胞における遺伝子発現の違いを9206個の遺伝子をスポットしているCodeLink Bioarray (Motorola)を用いて検索した.予想された通り両細胞の遺伝子発現は類似しており,3倍以上の発現の差が認められた遺伝子はわずか34個であった.34遺伝子のうち29個はT.Tn-AT1において発現が低下しており,5個は発現が上昇していた.34遺伝子のうち,その発現の差が顕著であり,浸潤転移に関与が高いと考えられた14遺伝子に関して半定量RT-PCRを行い,その発現の差を確認した.その結果9遺伝子(KAL1,HPGD,NDN,REG1A,CXCR4,SPOCK,DIAPH2,AIF1,VNN2)にマイクロアレイと同様の結果が得られた.これら9遺伝子は,それぞれ細胞接着,遊走,炎症,増殖,分化に関る遺伝子であり,転移過程で重要な役割を果たしていると考えられた.このようなマイクロアレイによるスクリーニングで得られた分子のうちCXCR4についての解析を進めた.ヒト食道扁平上皮癌の手術検体を用いた免疫組織化学では,非腫瘍部の基底層,腫瘍先進部や脈管侵襲部位の一部において蛋白の核内発現が観察された.
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