プロテオグリカンによる血管障害発症機構の検討と治療への応用
Project/Area Number |
15790392
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
清水 良子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30348643)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | プロテオグリカン / 細胞外基質 / バイグリカン / 血管障害 / 血管平滑筋細胞 / 細胞増殖 / 細胞遊走 / トランスジェニックス / 細胞外マトリックス |
Research Abstract |
近年、動脈硬化症での血管障害進展に細胞外基質の主要構成物質である糖蛋白質プロテオグリカンの重要性が示唆されている。今回我々は、血管壁に多く発現するプロテオグリカンであるバイグリカンの血管特異的過剰発現マウスを樹立し、その血管障害モデルを作成してバイグリカンの血管障害発症機構における役割を初めて明らかにした。ヒトバイグリカンcDNAを血管特異的プロモーターであるαSMAの下流に挿入してC57BL/6Jマウス卵にマイクロインジェクションしバイグリカン過剰発現マウスを樹立し(tg)、更にこれにアンジオテンシンII(AngII)を慢性投与して血管障害モデルを作成し、野生型マウス(wt)での血管障害モデルとの比較検討を行った。心重量比、血圧、血漿レニン活性でtgに変化は見られなかった。大動脈など血管組織ではAngII負荷前、後ともにtg群ではwt群に比して、血管壁厚さ、血管media/lumen比が有意に増加し、更にPCNA染色陽性となる増殖細胞が有意に増加していた。又、冠動脈においては野生型に比べ著明な新生内膜の増生による内腔閉塞を認め、ヒトの冠動脈疾患の病理像に類似していた。この新生内膜の免疫組織染色から新生内膜は血管平滑筋細胞の増殖から主になることが示された。この機序の詳細な検討をおこなうため、培養血管平滑筋細胞(VSMC)を用いたin vitroの実験を施行した。VSMCをバイグリカンで刺激することにより、VSMCの遊走および増殖能の促進が示され、ウェスタンブロット法から、バイグリカンの刺激によりVSMCの細胞周期調節因子であるCdk2の発現を増加させ、p27、p21を減少させることが示された。以上より、バイグリカンがVSMCの増殖・遊走に関与し、心血管障害発症に直接関与する増悪因子であることが示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)