アデノウイルスベクターを用いたエピモルフィンの肺線維症における抗線維化作用の解析
Project/Area Number |
15790413
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Respiratory organ internal medicine
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
寺崎 泰弘 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (50332870)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | エピモルフィン中和抗体 / リコンビナントエピモルフイン / ブレオマイシン肺線維症 / 上皮再生促進と抑制 / アデノウイルスベクター / 非通常型間質性肺炎NSIP / 通常型間質性肺炎UIP / MMP2 / エピモルフイン中和抗体 / 上皮再生抑制と線維化 |
Research Abstract |
エピモルフィン発見者の平井博士との共同研究としてエピモルフィン遺伝子非増殖性組み換えアデノウイルスを作製し、培養細胞感染確立までの準備をしていたが、in vivoで使用できるエピモルフィン遺伝子を組み込んだ非増殖性組み換えアデノウイルスの調整が不良の為、マウスブレオマイシン肺線維症モデルに、本因子の中和抗体やリコンビナントエピモルフインを皮下持続注射して投与し、本因子の抗線維化などの作用を検討した。中和抗体投与群はコントロール群に比較して、ブレオマイシン投与後の体重回復状態が遷延し、肺胞洗浄液中の細胞数や蛋白濃度、MMP2,9の活性もより上昇していた。病理学的評価でも、抗体投与群が炎症、線維化が強い傾向がみられ、ハイドロキシプロリン量も抗体投与群が高い傾向がみられた。中和抗体による本因子の機能抑制は障害からの治癒を抑制し炎症障害を持続遷延させ結果的に肺の線維化悪化となる事が示唆された。リコンビナント投与群はコントロール群に比較して肺線維化が抑制さる傾向はあった。投与リコンビナントエピモルフィンの量的な問題もあり、今後はエピモルフィン遺伝子非増殖性組み換えアデノウイルスの効果などの検討の必要性があげられた。 一方、今回、本因子がビトの間質性肺炎の病態の違いに影響するという以下のような内容の論文を報告した。Respiratory Research,16,January,2005。本因子はヒト正常上皮周囲間質にわずかに発現するが、予後が比較的良い非通常型間質性肺炎NSIPの再生上皮周囲間質には強く発現し、予後が悪い通常型間質性肺炎UIP周囲間質には発現増加がなかった。蛍光染色にて、本因子が強く発現しているNSIPの腔内線維化巣を被覆する再生被覆上皮にはMMP2が強く発現していた。ELISAで、組み換えエピモルフィン蛋白は、2型肺胞上皮細胞A549においてMMP2の発現を増加させた。以上、エピモルフィンは、一部MMP2を介して上皮再生時の組織改築に関与し、上皮再生が良いNSIPと上皮再生が悪いUIPというヒトの間質性肺炎の病態の違いに影響し、再生医療の点からも本因子の重要性が改めて示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)