チロシンニトロ化がインスリン情報伝達機構に与える影響
Project/Area Number |
15790470
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Metabolomics
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
内野 泰 順天堂大学, 医学部, 助手 (60338332)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | インスリン / IRS-1 / ニトロ化 / Peroxynitrite / インスリン抵抗性 / peroxynitrite |
Research Abstract |
最近iNOSの欠損マウスは高脂肪食負荷によってもインスリン抵抗性が生じない事が報告され、iNOSによるNOの産生がin vivoにおけるインスリン抵抗性の大部分を担っている事実が示された。NOはsuperoxideと反応する事によりperoxinitrate(ONOO^-)(PN)を形成し、脳・腎・血管・心筋などの組織を傷害する事が知られている。一方で、PNはラジカルによる細胞障害以外に、チロシン残基のニトロ化によるアミノ酸修飾をおこす作用があることが知られている。そこで我々は脂肪細胞のcell lineである3T3L1 adipocyteに持続的にPNを放出する試薬であるSIN-1(3-(4-Morpholinyl)sydnonimine, hydrochloride)を12時間負荷し、2-deoxyglucoseを用いてインスリン応答性の糖取り込みを観察した。その結果、インスリン応答性の糖取り込みはSIN-1濃度依存性に低下した。次に、そのメカニズムを解明するためインスリン受容体(IR)からの情報伝達経路に関して検討した、その結果IRのリン酸化は全く影響を受けていないがIRS-1の蛋白量、リン酸化、PI3kinase活性の低下、Aktのリン酸化の低下が認められIRS-1がPNのtargetであることが明らかとなった。さらにこの、IRS-1自体がニトロ化修飾を受けていることが明らかとなった。このニトロ化の部位はインスリンシグナルによりリン酸化される939番のチロシンが主であり、このチロシンのニトロ化によりチロシンのリン酸化が障害されインスリンの情報伝達が阻害される可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)