Project/Area Number |
15790509
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
膠原病・アレルギー・感染症内科学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牧野 雄一 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90345033)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 低酸素 / 転写因子 / T細胞 / T細胞受容体 / 活性化細胞死 / アポトーシス / HIF-1α / マイクロアレイ |
Research Abstract |
生体内外の環境の酸素濃度には大きなグラジエントが存在する。リンパ球などの免疫担当細胞は、生体内を広く移動し、極端な酸素環境の変動に曝されうる代表的組織といえる。さらに、免疫担当細胞が機能する場である炎症組織・腫瘍組織などにおいては、組織内酸素分圧が著しく低下しており、リンパ球などの細胞にとって、環境酸素濃度のダイナミックな変化に適応することは、細胞・組織の機能を維持するうえできわめて重要であるといえるが、そのメカニズムについてはほとんど明らかにされていない。低酸素によって活性化される転写因子Hypoxia-inducible factor-1α(HIF-1α)は、細胞の低酸素環境への適応に重要な多くの遺伝子の発現を転写レベルで制御している。本研究は、低酸素がリンパ球の機能・形質にあたえる影響とその分子機構を明らかにすると共に、リンパ球機能制御、免疫応答制御におけるHIF-1αおよび低酸素シグナルの役割を明確にし、低酸素シグナル伝達システムを標的とする新たな免疫制御法開発の基盤を確立することを目的とするものである。 平成16年度研究実施計画に沿って以下の様に研究が展開された。 低酸素がリンパ球機能に与える影響の解明。健常人の末梢血より分離した単核細胞をPHAで幼若化したのちIL-2存在下で培養し、固相化抗CD3抗体で刺激し、活性化細胞死(AICD)を誘導する系を構築した。低酸素下ではAICDは有意に抑制され、T細胞の生存率は上昇した。かかる条件下のT細胞においては解糖系の亢進により、エネルギー産生が維持されていた。 リンパ球におけるHIF-1α発現の解析。上記のごとくAICDが抑制される培養条件下、すなわち低酸素環境下で、かつCD3刺激が共存する場合のみHIF-1αの発現が誘導された。かかるHIF-1α発現は翻訳のレベルで制御されていた。 リンパ球におけるHIF-1α発現の意義の究明。リンパ球においてHIF-1αはアドレノメジュリン遺伝子を誘導しAICDの制御に関与することが示唆された。一方、解糖系酵素、糖輸送蛋白遺伝子を誘導しエネルギー代謝の維持に重要な働きを果たしていることが示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)