小児におけるE型肝炎ウイルスの検出率、感染経路、病態及び遺伝子型に関する検討
Project/Area Number |
15790536
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
後藤 健之 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60332946)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | HEV / 小児期 / 感染率 / 肝障害 / RT-PCR / 抗HEV IgM / 抗HEV IgG / HEV RNA / 肝炎 |
Research Abstract |
最近、日本では成人領域ではE型肝炎ウイルスによる急性あるいは劇症肝炎が報告され、国内土着の株による人畜共通感染症であることが明らかとなった。しかしながら、小児期のE型肝炎ウイルスに関する報告は少ない。今回我々は小児におけるE型肝炎ウイルス感染の実態を調査するため、劇症肝炎例、急性肝炎例、コントロール群における、抗HEV IgG、抗HEV IgMの保有率を検討するとともに、HEV RNA検出の有無を検討した。 対象は名古屋市立大学病院に受診し劇症肝炎と診断された5例(M:F4:1、平均7.6歳)及び1992年〜1997年に名古屋市立大学病院、国立豊橋病院、蒲郡市民病院に受診し、検査の同意を得た小児309例とした。劇症肝炎例では患者血清よりRNAを抽出し、HEV特異的RT-PCR法でHEV RNA検出の有無を検討した。その他、急性肝炎例、コントロール群ではELISA法で抗HEV IgG及び抗HEV IgMの検出の有無を検討した。 劇症肝炎5例の血清中からはHEV RNA、抗HEV IgG、抗HEV IgMともに検出されなかった。30例の急性肝炎例の血清からは1例(3.3%)に抗HEV IgGを検出した。抗HEV IgMは検出しなかった。309例のコントロール群の血清からは抗HEV IgGが8例(2.6%)に、抗HEV IgMが2例(0.6%)に検出された。IgG、IgMの両者とも検出した例は無かった。 この結果から小児期の劇症肝炎例の原因としてHEVは関与している可能性は少ないと考えられた。抗HEV IgGの検出率(3.3%)は日本人小児にとってHEV感染がそれほど稀でないことを示していた。しかしながら、抗HEV抗体を有する児におけるHEV感染経路の問題が残った。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)