Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
平成16年度は佐賀大学医学部付属病院にVibrio vulnificus感染症患者の受診はなく。患者末梢血リンパ球におけるRP105分子(CD180)の発現検討は行えなかった。比較対照群として、平成16年4月1日から平成17年3月31日の1年間に佐賀大学医学部付属病院皮膚科に入院した、皮膚重症感染症(丹毒、蜂窩織炎、壊死性筋膜炎)の患者末梢血リンパ球におけるRP105分子の発現検討を行った。丹毒:2名、蜂窩織炎:3名、壊死性筋膜炎:3名それぞれの入院時(初診時)末梢血全血からリンパ球を回収し、RP105分子に対するモノクローナル抗体(MHR73)を用いたフローサイトメトリーによる解析を行った。結果、いずれの感染症におけるRP105分子を発現するB細胞は正常と比べて有意な差を認めなかった。今後は、起炎菌(皮膚感染症では溶血連鎖球菌、ブドウ球菌(MRSAを含む)の検出率が高い)、重症度(病変の範囲、白血球、CRPの値)などでRP105を発現するB細胞に有意な差が認められるか検討予定である。また、従来、致死率の高いとされてきたVibrio vulnificus感染症においても、上肢のみに認められるものは救命できたとの報告もある。理由として、患者側の要因(肝機能や糖尿病の重症度)、菌側の要因(弱毒株の存在)などが推測されているが、RP105分子発現B細胞の数に差がある可能性もあり、この方面からもアプローチを進めていっている。