Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
ヌード腫瘍(ヒト大細胞性肺癌由来:IA)を用いて光子線照射前後の同腫瘍のclonogenのgrowht kineticsの研究を行い、放射線抵抗性低酸素下分裂細胞の存在を明らかにした。同細胞の再分裂増殖は、再発の源であり、分割照射日時のrepairに続くrepopulationの本体と考えられた。当細胞は、P-53のエクソン6コドン192、P-16のエクソン2コドン101およびK-rasのエクソン1コドン12のpoint mutationを有している。また同腫瘍はトリプシン処理によらず物理的に単個細胞となる特性を有する。X線照射後に同腫瘍のclonogenのGrowth Kineticsを分析したところ、1日目までの12Gy照射で10倍以上の著しい生存率の回復(PLD repair)、3-5日以降に急速に生存率の上昇(accelerated repopulation)が起った。昨年までにマイクロアレイ法にて培養細胞およびヌードマウス腫瘍における遺伝子発現変化の解析を行い放射線照射後の再増に関わる遺伝子候補を検討した。今年度はRT-PCR法を用いてマイクロアレイの結果の再確認を行いさらに候補遺伝子の同定を行った。マイクロアレイの結果を解釈するためにX線照射後に特異的に起こる現象であるか否かの検討を加える必要が有ると考えX線照射実験の追試およびIA細胞移植ヌードマウス腫瘍に対しコロニー形成実験にて炭素線照射後のclonogenの生存率の解析を行った。同腫瘍に対し炭素線照射後のclonogenの生存率の解析を行ったところ、X線と炭素線に3-5日以降のrepopulationは観られたが、1日目のPLD repair現象は観られず、X線照射後の再増殖は遺伝子修復能の違いによって起こる事が示唆され、細胞接着、免疫関連遺伝子と遺伝子修復との関連付けのための機能解析を進めているところである。