Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
【目的】肝内胆管に粘液産生が亢進し乳頭状に発育進展する腫瘍(Intraductal papillary neoplasm of the liver(IPN-L))に着目し,肝内胆管癌における新たなカテゴリーとして分類した。異型度,進行度が進展する過程を,低異型dysplasia,高異型dysplasia, in situ癌および非浸潤性あるいは微小浸潤性乳頭状腺癌,高度浸潤性乳頭状腺癌の4群に分類することでIPN-Lにおけるdysplasia-carcinoma sequenceもしくは多段階発癌過程を明らかにする。【対象と方法】材料は剖検例および外科的切除された肝内胆管癌合併もしくは非合併の肝内結石症(56例)および肝内胆管乳頭腫(10例)を用いる。正常あるいは非乳頭状肝内大型胆管上皮(20例),非乳頭状肝内胆管癌(20例)をコントロールとする。ホルマリン固定パラフィン包埋薄切切片を作成し,HE, d-PAS, HID-AB染色による組織学的検討および免疫組織化学的検討に用いる。病理組織学的に細胞および構造異型により,肝内胆管内に乳頭状に発育する腫瘍Intraductal papillary neoplasm of the liver(IPN-L)として,低異型dysplasia(13例),高異型dysplasia(20例),in situ癌および非浸潤性あるいは微小浸潤性乳頭状腺癌(19例),高度浸潤性乳頭状腺癌(14例)の4群に分けた。肝内結石症などの慢性胆管炎を背景に発生した肝内胆管癌において,発癌過程でDNA修復関連遺伝子の異常が関連していることが考えられる。そこで,DNA修復系の0^6-methylguanineの修復酵素であるMGMT,ミスマッチ修復酵素であるhMLH1に着目し,肝内胆管癌におけるこれらの発現の程度を調べた。P53, p21, cyclinD1, p16やDPC4/Smad4等のタンパク発現を免疫組織化学的に検討した。【結果】P16は低異型dysplasiaで発現が低下する傾向があり,P53は分化度が増すにつれて,発現頻度が増加した。MGMTやhMLH1は,低異型から高異型dysplasiaで発現が少ない傾向があるが,有意差は認めなかった。【考察,まとめ】p16やMGMT, hMLH1の不活化がIPNLの発癌に関与している可能性がある。
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