周産期の脳傷害がもたらす中枢神経発達障害の解明と治療
Project/Area Number |
15790769
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
野村 貞宏 山口大学, 医学部, 助手 (20343296)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 脳浮腫 / 炎症 / 水頭症 / 脳出血 / トロンビン / 大脳形成不全 / 学習能力 / 成長と発達 / hydrocephalus / heat shock transcription factor / mouse / intraventricular hematoma / white matter / マウス / 周産期 / 白質形成不全 |
Research Abstract |
未熟児の脳室内出血後の病態に近似したモデルとしてHeat shock transcription factorのknockout mouseの神経症状を観察した。このマウスは陸上での四肢の動きは正常マウスと差がなく、一見は健康に見える。ところが水槽に入れると泳ぎ方がぎこちなく、Morris water mazeではplat formに到達するまでの時間は有意に長かった。また同じ条件で繰り返し泳がせると学習速度は遅かったが、最終的な学習到達度は正常マウスと同じだった。次にこのマウスの脳室から髄液を排除して実験を行った。術後にはplat formに到達するまでの時間が短縮したが、正常マウスでも同様の変化が観察され、その改善度には差がなかったことから、水頭症の治療効果は無いと思われた。前年度の実験で髄液の停滞による一種の特発性正常圧水頭症モデルの可能性があることが示唆されたが、その治療効果は少なくとも短期的には現れないと思われた。この結果もまた、未熟児の脳室内出血後にみられる変化とよく似ている。 軽症脳損傷後の病態を解明するため、出血周囲脳の浮腫・炎症・グリア反応を確認した。ラットの右caudoputamenに血腫を作成した。摘出した脳には脳浮腫が広がり、多核白血球、macrophage、astrocyteが浸潤していた。これらの変化は血腫の周辺だけではなく、そこから離れた脳室周囲にも観察された。脳出血において、thrombinが二次的悪影響を及ぼすことが示されており、血腫周囲の脳浮腫と炎症はthrombinの影響である。本実験では脳室周囲にもこれらの二次的変化が観察されたことから周生期脳損傷後の脳室拡大と発達障害は、急性期のthrombinによる組織障害がその後の脳形成を障害する可能性が示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(4 results)