Project/Area Number |
15790790
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
遠藤 宏治 国立大学法人鳥取大学, 医学部, 助手 (40346341)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 骨軟部腫瘍 / RUNX3 / 遺伝子導入 / アデノウイルスベクター |
Research Abstract |
骨軟部腫瘍細胞株2株〔HT1080(線維肉腫)、MFH-ino(悪性線維性組織球腫)〕に対して、FLAG-RUNX3組換えアデノウイルスベクター(Ad-F-RUNX3)を精製・導入し、その後の生細胞数、生細胞率をMTT assayにより調査した。Western blot法では、HT1080,MFH-inoとも感染後72時間までの段階で経時的に抗RUNX3抗体であるAS251によりRUNX3蛋白のバンドが増強し、十分に感染によるRUNX3遺伝子移入は達成できていると考えられた。MTT assayによる遺伝子導入後の生細胞率の測定では、HT1080、MFH-inoとも非感染、コントロール群(LacZ導入)と比較して若干の低下は見られたものの、有意差はなかった(感染72時間後の生細胞率は、非感染群を100%とすると、HT1080:LacZ 104.0%、RUNX3 89.2%、MFH-ino:LacZ 100.2%、RUNX3 89.7%)。このことからRUNX3導入による腫瘍細胞の増殖抑制効果は認められないことが確認された。当院では、胃癌に対するFLAG-RUNX3組換えアデノウイルスベクター導入による効果の研究が進められており、並行して骨軟部腫瘍でのRUNX3による細胞増殖抑制・アポトーシス効果を期待し調査したが、今回の細胞株ではその効果はなく、RUNX3の関与はないものと結論した。この結果から、ヌードマウスでの転移モデルへ遺伝子導入してもその効果は期待できないため、転移モデルでの実験系は施行を取りやめた。 現在も骨軟部腫瘍の治療効果はまだ十分に良好な成績を得られているとは言えない。遺伝子導入による治療は骨軟部腫瘍に対する有効な治療手段になりうると考えられるので、今後、他の転写因子・癌抑制遺伝子導入による腫瘍増殖抑制効果を検討していく必要がある。
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