Project/Area Number |
15790844
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Urology
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Research Institution | Iwate Medical University (2004) Hirosaki University (2003) |
Principal Investigator |
工藤 大輔 岩手医科大学, 医学部, 助手 (20302036)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 腎細胞癌 / T細胞 / アポトーシス / ガングリオシド / 腫瘍浸潤T細胞 / 抗アポトーシス遺伝子 |
Research Abstract |
腎細胞癌の腫瘍産生物質によるT細胞アポトーシスが免疫反応を減弱させ、サイトカイン療法が無効であるとされている。ガンダリオシドは細胞表面に存在し細胞の相互認識など多くの機能をもつスフィンゴ糖脂質のひとつである。腫瘍組織中のガンダリオシドが腫瘍浸潤T細胞を無力化させていると考えられることから、腎細胞癌患者より得られた摘出標本より、無血清培地を用いて腫瘍上清を作製した。 結果#1:腫瘍上清とT細胞の混合培養によりT細胞のアポトーシスが誘導された。またT細胞の抗アポトーシス遺伝子であるBcl-2とBcl-xLの発現の低下が見られた。このことから腫瘍上清中にT細胞をアポトーシスに傾ける物質(ガンダリオシド)の存在が考えられた。 結果#2:腫瘍上清と腎癌細胞株より脂質を抽出し、最終産物としてガンダリオシドを抽出した。薄層クロマトグラフィー(HPTLC)にてガンダリオシドが紫色のbandとして描出された。 結果#3:抽出されたガンダリオシドと正常T細胞を混合培養し、total RNAを抽出した。Real TimePCR法により、T細胞産生サイトカイン(IL-4,IL-10,IFNγ)の発現をコントロールと比較した。するとガンダリオシドと混合培養したT細胞においてIL-4の過剰発現とINFγの発現低下がコントロールと比較してみられた。このことから、CD4陽性T細胞は液性免疫優位となるTH2に多くが分化することが判明した。さらにIL-4がマクロファージ活性を抑制し、INFγの低下によりナチュラルキラー細胞活性も落ちるなど、腫瘍細胞を排除する細胞性免疫が低下することがわかった。つまりガンダリオシドが腎細胞癌患者における免疫抑制の原因物資であることが確認された。今後の展開として今回の研究実績をもとに、ガンダリオシド産生抑制物質がT細胞アポトーシスを回避することができるかを将来の臨床応用も見据えながら推進していきたいと考える。
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