ラクトフェリンを用いた早産抑止効果の臨床応用への可能性に関する検討
Project/Area Number |
15790912
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
大槻 克文 昭和大学, 医学部, 講師 (90276527)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ラクトフェリン / 早産 / 動物モデル / probiotics / Natural Antibiotics / prebiotics |
Research Abstract |
【目的】Lactoferrin(LF)は、制菌・抗菌、抗炎症、免疫調節など多彩な作用を有することが報告されている。今回我々は当該施設での動物実験委員会の承認を得て、子宮頸管内にE.coliを直接投与することによりラビット早産モデルを作成し、LFの早産の予防に関する研究を行った。 【方法】ラビット(New Zealand White種)を交配させ、これらを3群に分け、妊娠日令21日目に麻酔下にて生食群(n=3)とE.coli群(n=8)に生食を、LF群(n=7)にLF(recombinant human lactoferrin;5mg/body)を内視鏡下で子宮頸管内に投与した。2時間後に生食群に生食を、E.coli群とLF群にE.coli(10^7cfu/body)を同方法で投与した。妊娠継続日数、胎児生存率、母獣血清と羊水中のTNF-α濃度を検討した。 【結果】1.妊娠継続日数は、生食群7.0±0日、E.coli群3.3±0.4日、LF群4.9±1.8日であり、LF群はE.coli群と比較し有意に延長した。2.胎児生存率は生食群95.7%、E.coli群0%、LF群32.6%であり、LF群はE.coli群と比較し有意に高値を示した。3.分娩時の母獣血清中TNF-α濃度は生食群45.6±10.2pg/ml、E.coli群96.6±22.6pg/ml、LF群69.2±12.0pg/mlであり、LF群においてE.coli群と比べて有意差を認めなかったが、低くなる傾向があった。4.分娩時の羊水中TNF-α濃度はE.coli群218.7±27.2pg/ml、LF群48.5±24.7pg/mlであり、母獣血清中と同様の傾向を認めた。 【まとめ】LFはE.coli投与ラビット早産モデルの妊娠期間を延長し、胎児生存率を上昇させた。さらに母獣血清、羊水において炎症性サイトカインであるTNF-αを抑制させた。以上のことから、LFが早産の予防・治療、さらには母体及び新生児予後改善の手段として応用できる可能性が示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)