ペンドレット症候群の難聴発症機序に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15790932
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 栄祐 名大, 医学(系)研究科(研究院), 助手 (20359748)
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Project Period (FY) |
2003 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥100,000 (Direct Cost: ¥100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | ペンドレッド症候群 / 前庭水管拡大症 / pendrin / ペンドレット症候群 / ベンドリン / SLC26A4 |
Research Abstract |
1.抗ヒトpendrinポリクローナル抗体の作製とマウス内耳免疫組織染色 ペンドレッド症候群は常染色体劣性遺伝で難聴と甲状腺腫を特徴とする。その原因遺伝子であるPDS遺伝子が同定され、その産物であるpendrinはanionトランスポーターとしてその役割を果たしている。その内耳における局在としてin situ hybridizationにて内リンパ嚢、外ラセン溝、球形嚢、卵形嚢にてその発現が確認されている。今回我々は抗ヒトpendrinに対するポリクローナル抗体を作製し成人マウス内耳免疫組織染色を施行した。結果、内リンパ嚢、球形嚢、卵形嚢、外ラセン溝にpendrinの発現を認めた。内リンパ嚢では、apical membrane上にその発現を認めた。さらに今回in situ hybridizationでは発現を認めなかったラセン靭帯、Claudius cells、Deiter's cells、ラセン神経節にもpendrinの発現を確認した。今回の結果から、pendrinは内リンパのpHコントロール、産生、吸収に関与していることが示唆された。 2.前提水管拡大症におけるPDS遺伝子の遺伝子型と表現型の関係 PDS遺伝子は前庭水管拡大症を伴う非症候群性難聴の原因遺伝子でもある。今回我々は、16例の前庭水管拡大症患者を対象にPDS遺伝子をダイレクトシークエンス法にて遺伝子解析を行い遺伝子型と表現型(内リンパ嚢体積、蝸牛軸面積)との関係を調べた。結果、12例にH723R変異を認めそのうち6例はホモ接合体、6例はヘテロ接合体であった。4例は解析を行った範囲内に変異を認めなかった。ホモ接合体、ヘテロ接合体、変異なしで群分けし内リンパ嚢体積と蝸牛軸面積との相関をみたが有意な相関はなかった。内リンパ嚢体積、蝸牛軸面積の大きさを規定する因子としては遺伝子型ではなく他の要因が考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)