Project/Area Number |
15790962
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
川崎 英子 関西医大, 医学部, 助手 (00343674)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 内耳外有毛細胞 / 低浸透圧刺激 / 細胞内Ca^<2+> / NO産生 / 体積調節 |
Research Abstract |
メニエール病や内リンパ水腫における内耳液イオン環境とイオン透過性の変化は外有毛細胞の浸透圧を変化させ、持続的な短縮と膨張を引き起こし、聴力低下の原因となると言われている。以前我々は、低浸透圧刺激による外有毛細胞の腫脹によって細胞内Ca^<2+>濃度が上昇し、Ca^<2+>が外有毛細胞の体積調節に重要な役割を担っている事を報告した。又、細胞外ATP刺激による外有毛細胞のCa^<2+>に依存するNO産生を示し、NOが聴覚情報伝達に重要な役割を演じている可能性について述べた。更に最近、NOが様々な細胞における体積調節に重要な役割を担っている可能性が示唆されている。今回我々はモルモット蝸牛の外有毛細胞を用い、低浸透圧刺激時の細胞内Ca^<2+>動態及びNO産生と細胞の形態変化の同時測定を行い、細胞の体積調節におけるCa^<2+>とNOの役割について検討した。まず、正常白色モルモットの蝸牛より外有毛細胞を単離した。細胞内Ca^<2+>濃度測定にはfura-2AMを、NO測定にはDAF-2DAを用いた。従来の画像解析装置に2光路アダプターを設置し、1つの光路では蛍光像の観察と蛍光強度の変化を記録し、もう一方で形態の変化の観察を行った。形態変化の観察には別の画像解析装置を用いた。以上の設定で、細胞に低浸透圧刺激を行い、細胞の形態変化と細胞内Ca^<2+>及びNO動態の同時測定を行い、解析検討した。又細胞外に内Ca^<2+>を含まない場合についても同様に行った。結果、低浸透圧刺激により外有毛細胞の細胞腫脹を伴った細胞内Ca^<2+>濃度上昇とNO産生がみられた。又細胞外液にCa^<2+>がない場合、細胞の腫脹はみられるが細胞内Ca^<2+>濃度上昇とNO産生はみられなかった。この事から、外有毛細胞において低浸透圧刺激による細胞腫脹により細胞外から細胞内へCa^<2+>が流入し,細胞内Ca^<2+>濃度上昇が起こり、NO産生が惹起されると考えられた。又今回外有毛細胞の体積調節においてNO産生が重要な役割を演じている事が示唆された。
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