Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
Anterior Chamber-Associated Immune Deviation (ACAID)にみられる免疫寛容システムを実験的アレルギー性結膜炎モデルに応用し、抗原特異的抑制性T細胞(regulatory T cell)の誘導による実験的アレルギー性結膜炎の抑制実験を試みた。当初この研究は免疫学的な解析を行いやすいマウスモデルを用いる予定であったが、数回にわたって発症実験を行ったにも拘らず、実験的アレルギー性結膜炎発症モデルを確立できなかったため、代用としてBNラット用い、以下の4群を作成した。1)無処置ラットに抗原(OVA)の点眼のみを行った群:対照群2)抗原を強化免疫した後、同一抗原の点眼を行った群:結膜炎発症群3)抗原の免疫、点眼を行う前に、同一抗原を前房内投与した群:ACAID群4)抗原の免疫、点眼を行う前に、他抗原を前房内投与した群:他抗原群抗原の点眼のみでは結膜の変化は見られず(対照群)、抗原免疫後に同一抗原の点眼を行う事によって、実験的アレルギー性結膜炎の発症が誘導された(結膜炎発症群)。-組織学的解析よりまた、抗原免疫を行う前に同一抗原を前房内投与する事により、抗原特異的な遅延型過敏反応を抑制された(ACAID群、他抗原群)。-免疫学的解析よりしかし、ラット実験的アレルギー性結膜炎モデルの発症を抑制する上では、ACAIDにより誘導されるregulatory T cellの有効性は証明できなかった(ACAID群)。抗原の違いによる発症程度の有意な差や傾向も認められず、抗体産生能の抑制もみられなかった。(ACAID群、他抗原群)-組織学的解析および免疫学的解析より