自家培養真皮のサイトカイン産生に関する実験的研究および小児全身熱傷後瘢痕への応用
Project/Area Number |
15791030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Plastic surgery
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
藤森 靖 大阪医科大学, 医学部, 助手 (70351393)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 自家 / 線維芽細胞 / 培養真皮 / 小児 / サイトカイン / 熱傷後瘢痕 |
Research Abstract |
大阪医科大学倫理委員会の承認を得て本法をおこなった。10名の正常皮膚1×2cmをあらかじめ採取した。これらは平成15年度の本研究において用いたものである。文章による同意を得た1歳から10歳の6症例11部位で本法を施行した。手術日が決定したら、ヒアルロン酸とコラーゲンから成るシートに保存していた線維芽細胞を播種し、自家培養真皮を作成した。1回目の手術において、拘縮を解除して生じた皮膚欠損創に自家培養真皮を貼付した。貼付後5日から12日目で約4〜6/1000inchの基底層を分割するような超薄分層植皮を行った。植皮片は薄く破れやすいため、両面テープに付着させたままの状態で創部に縫着し、タイオーバー固定を行った。タイオーバー固定は術後7日目で解除し、抜糸は14日目におこなった。抜糸後はレストンによる圧迫をおこなった。結果:自家培養真皮は貼付後一週間で肉眼的には、ほぼ吸収されていた。移植床は、脂肪層上に薄く形成されていた。超薄分層植皮の収縮率は50%から150%と症例、部位により異なった結果が得られた。植皮片が収縮した症例でも術後4〜6カ月頃より再び伸びる傾向が見られた。採皮部の上皮化はいずれの症例も7日目でほぼ完了しており、瘢痕を残さなかった。患児の負担を緩和することができ、また同一部位から再び採皮する事が可能であった。考察:自家培養真皮のサイトカイン産生に関する実験的研究のデータに基づいて本法をおこなった。本法は自家線維芽細胞移植、線維芽細胞から産生されるサイトカイン、および培養真皮のマトリックス自体の創傷治癒能力の結果 脂肪層上に移植床が形成される。これにより基底層を分割するような超薄分層植皮が可能となる。最大の効果は、同一部位から複数回の採皮が可能で瘢痕を生じないことにある。植皮片の収縮や肥厚、赤味は経過観察の結果改善する傾向にある。新しい治療方法になることが期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)