SKP2siRNAを用いたp27タンパク分解抑制による制癌効果
Project/Area Number |
15791043
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Morphological basic dentistry
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
工藤 保誠 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50314753)
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Project Period (FY) |
2003 – 2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2003: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / Skp2 / p27^<Kip1> / 細胞周期 / siRNA / タンパク分解 / ユビキチン / プロテアソーム |
Research Abstract |
p27^<Kip1>タンパクの発現低下は、口腔扁平上皮癌において高頻度に認められ、その発現低下には、翻訳後の異常なタンパク分解によるものと考えられている。最近、p27^<Kip1>のタンパク分解には、ユビキチンリガーゼであるSkp2によりユビキチン化され、プロテアソームにより分解されることが明らかになった。我々は、口腔扁平上皮癌におけるSkp2の過剰発現が、高頻度にみられ、p27の分解とよく相関することをすでに見いだしていることから、本研究では、Skp2の発現をsiRNAにより抑制し、p27^<Kip1>タンパク分解を阻害することによる制癌効果を調べ、遺伝子治療への応用の可能性について検討した。 我々は、p27タンパクの異常分解により発現が低く、Skp2の発現の高いOSCCC細胞株であるHSC3細胞およびSkp2の発現が低く、p27タンパクの発現の高いHSC4細胞を本研究に用いた。Skp2特異的なsiRNAを発現するベクターを作製し、HSC3およびHSC4細胞に遺伝子導入し、Skp2の発現抑制をwestern blotにより確認した。Skp2発現の抑制がみられた細胞では、p27タンパクの発現の増加がみられ、増殖能の低下が認められた。特に、p27タンパクの過剰な分解がみられるHSC3細胞において、強い増殖抑制効果が認められた。さらに、Cychroheximideを処理し、タンパクの半減期を検討したところ、分解の抑制がみられ、Cdk2キナーゼ活性の低下も認められ、p27発現の増加による増殖抑制効果が確認された。次に、Skp2 siRNA導入細胞をヌードマウスに移植し、in vivoにおける増殖抑制効果を検討したところ、Skp2 siRNA導入細胞では、コントロールに比べて、腫瘍サイズが40%減少し、組織学的にもコントロール群が腫瘍辺縁部において浸潤性に増殖していたのに対し、Skp2 siRNA導入群では被膜に覆われており、腫瘍中心部が広範に角化壊死に陥っていた。 以上の結果より、Skp2 siRNA遺伝子導入は、p27タンパクの分解を抑制することにより、口腔扁平上皮癌細胞のin vitroおよびin vivoにおける増殖を抑制することが明らかになり、我々が目的とするp27タンパクの分解抑制をターゲットとした新たな治療法の一つになりうることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)