骨芽細胞から骨細胞への終末分化における転写因子Runx2の分子機能の解析
Project/Area Number |
15791055
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional basic dentistry
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
辻 邦和 医科歯科大, 難治疾患研究所, 助手 (20323694)
|
Project Period (FY) |
2003 – 2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2003: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 骨芽細胞分化 / 転写因子 / Runx2 / Cbfal / 骨形成 / 加齢 |
Research Abstract |
Runx2/Cbfa1のホモ欠損マウスは骨形成が完全に欠損する。一方、ヘテロ欠損マウスは、ヒトの頭蓋鎖骨異形成症と,ほぼ同一の表現型を示し、膜性骨の形成に重篤な遅延が観察される。更に、Runx2を骨芽細胞で過剰発現したトランスジェニックマウスでは骨細胞数が減少する。以上からRunx2は骨芽細胞、骨細胞の発生分化に必須であると考えられているが、成体の骨の恒常性の維持過程での機能については未だ不明である。本研究では、Runx2の発現量の減少が、成熟マウスの骨芽細胞の分化や機能に及ぼす影響を検討することを目的とした。成熟マウスにおけるRunx2発現量と骨量の相関を検討するため、成長過程ならびに成熟の野生型およびヘテロ欠損マウスの脛骨近位端の海綿骨量と、骨髄におけるRunx2蛋白の発現の比較を行ったところ、骨量は成長過程、成熟マウス共に変化はなかったが、ヘテロ欠損マウスにおけるRunx2の蛋白量は、野生型に比して低下していた。次に、in vivoで骨形成過程を観察する為に骨髄除去術を行い、Runx2の発現減少が及ぼす影響について検討したところ、野生型では、術後8日目で脛骨の骨髄腔内に骨の再生が認められたが、成熟ヘテロ欠損マウスでは骨再生が有意に抑制された。ヘテロ欠損マウスにおいては術後21日においても骨再生が認められなかったことから、上記の結果は骨形成の単純な遅延ではないことが示唆された。更に、この効果は、成長過程のRunx2ヘテロ欠損マウスでは観察されなかったことから、ヘテロ欠損の効果には、週齢依存性があることが示された。次に、成熟マウスの骨髄細胞の骨芽細胞への分化能を検討したところ、成熟マウスの骨髄細胞からのアルカリフォスファターゼ陽性細胞の形成ならびに石灰化基質の沈着がヘテロ欠損マウスで有意に低下することが明らかとなった。以上から、Runx2のヘテロ欠損は、加齢と共にマウスの骨髄中の骨芽細胞前駆細胞数を低下させることで骨髄除去術後の骨再生を抑制すると考えられた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(9 results)